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中国軍はほんとうに強いのか?
という疑問はいつもある。
中国人にとって一番怖いのは「日本人」、というのがあった。
理由はというと、
「なんでもかんでもあんなに真剣に忠実には中国人はやらない」
からだという。
中国軍というのはスペックだけで、実態が見えてこない。
別の説では
外見は大丈夫、ただし中身は幹部が汚職してフトコロに入れてしまっているから、ハリボテ空っぽ
というのがあった。
一番汚職しているのは共産党幹部、二番目は解放軍幹部、
と言われているが、これはありそうなことである。
しかし、兵器はものだから作らねばならない。
よって形だけは作る。
その完成審査するのは同じ解放軍だから口裏合わせて合格。
機密にして専門的なものであるから、外部からのチェックは入らない。
よって、バンバン汚職やり放題になる。
出来たものは外からみると本物であるが、内部のものは動作がどこまで保証されているかわからないという。
でも、これは統計上にちゃん載るから、数だけは間違いないことになる。
3カ月は動く。
モノによっては3年は動くかもしれない。
でもそれ以上はダメ。
特に昨今のシステム機構では、小さな部品一個がダメになっただけで全体が動かなくなるよう作られている。
よって、事前チェックが非常に厳しくなる。
「お手盛りチェック」をやると必ず実戦でミスが出る。
このミスをいかに減らすか一番の問題となる。
旧来のメカニック系ならすぐに修理可能だが、システム系ではまずダメである。
解放軍の装備が新式になればなるほど、ヤバさが増してくるのが昨今の技術である。
大丈夫だろうか?
『
「WEDGE Infinity 2013年10月08日(Tue)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3224?page=3
中国軍 自作自演のお手盛り軍事演習
軍機関紙が実態を異例の報道
日本で伝えられる勇壮な演習の裏側
中国軍の軍事演習についての報道は通常、兵士たちの勇ましい活躍や血湧き肉躍る兵器のオンパレードである。
それもそのはず、軍の機関紙である『解放軍報』はこれまで軍のプロパガンダを担う新聞紙として勇壮な情景を国民に見せつけ、愛国の情や国防の重要性を訴えるような記事を配信し続けてきたからである。
■軍の演習さえも形式主義が蔓延?
ところが10月3日に解放軍報のあまり目立たぬところに載せられた演習を伝える記事が、これまでの報道とは少し趣が異なり話題となっている。
「第47集団軍某旅団の実兵演習で反躬自省―本当にそんなにいい成績なのか?」
という記事である。
お手盛りの演習を反省せよ、と叱咤しているのである。
日本では勇壮な中国軍の演習ばかりが伝えられるが、その実、演習が指揮官に見せるために自作自演し、お手盛り化している皮肉な状況もあることがよく分かる。
近年、習近平国家主席は政府や軍に対し、盛んに形式主義を改めよ、と求めているが、軍の演習さえもそのような形式主義が蔓延していることを示す興味深い記事である。以下抄訳で紹介しよう。
* * *
【2013年10月3日解放軍報(抄訳)】
陸軍47集団軍に所属するある旅団による演習の情景。
射撃兵は6、7秒以内に目標を見つけ出して距離を測り、活発に動きながら、地形を知り尽くしたかのように有利な位置を占拠した。
窪地での射撃訓練でも兵士は命中率96%超の好成績を修めた。
旅団戦車分隊での実射訓練では大隊の兵士たちは4つの組平均で4発必中を遂げた。
「本当にそんなにいい成績なのだろうか?」。
旅団の指揮官は疑問に思った。
そこで調査してみるとやはり問題ありとの結果がでた。
ゴビ砂漠では灼熱の乾燥のために戦車はもうもうと砂ぼこりを上げ、狙いに大きく影響する。
そのため視察しやすいように大隊ではこっそり射撃ルートに水をまいていたのだ。
旅団の指揮官は厳しく批判し、やり直しを求めたが、こうした状況が少なからずあることが分かったのである。
指揮官たちが司令部門で戦術を練る際に、一部の指揮官たちが脚本を作成し、宣伝のせりふに照らして、マニュアルプロセス化されていた。
ある隊では射撃の前に前もって陣地の位置や距離を測定し、熟練の射撃兵に射撃させ、新兵にはやらせなかった。
これに対して旅団の共産党委員会では、教育による指導を行いながら訓練の作風、試験、演習の方法を改善させることにした。
「敵」に撃たれた人員や兵器装備は すぐに戦闘からはずされるというわけだ。
■「実戦はスローガンを叫ぶことではなく、はやりの標語をぺたぺた貼ることでもない」
7月中旬に行われた旅団の軍事訓練情勢分析会議での発言で、無線通信での簡単なコミュニケーションについてでさえ「複雑な電磁環境下での」と言及された。
ある科目では情報化との関連があるわけではないのに、「情報化の条件下での」と仰々しく述べられたために、それを聞いた旅団の指揮官から
「我々の条件では複雑な電磁環境を設定するのは難しいのだから、大げさに言い立てる必要はない」
との小言を受け、大隊や中隊の幹部たちは耳を真っ赤にしていた。
旅団指揮官によれば、こうした現象が起きる主な原因は兵士たちがよからぬ影響を受けて、ただ空虚にスローガンを叫び、標語をぺたぺた貼ることからきているのだという。
「実戦はスローガンを叫ぶことではなく、はやりの標語をぺたぺた貼ることでもない」
というわけだ。
旅団の党委員会では新たな戦法を考え、創造的活動を展開することになった。
兵器装備は比較的おんぼろであったが、装甲合成大隊の演習では新たな戦法を編み出して、集団軍の指揮官たちから好評を受けた。
またこの旅団は軍区のテストを受け、戦車大隊は良好な成績を収め、軍区が選び出した3つの機甲部隊の中でトップだったという。
* * *
【解説】
この記事はハッピーエンドで終わっているが、そもそも軍の演習において問題が発覚し、それについての改善がどのように図られたのかについて軍の機関紙が伝えることは極めて稀である。
習近平政権になってから軍の汚職摘発や規律を強化する措置がとられ、その主たる原因が官僚主義や形式主義の蔓延だと捉えられていることもこうした報道の背景にあるだろう。
習の主張する「戦って勝つ」部隊は演習をそつなくこなす軍隊ではないはずだ。
それだけに蘭州軍区傘下の陸軍機動部隊である第47集団軍の演習が皮肉を込めて名指しで伝えられたのは興味深い。
同集団軍は全国には18の機動部隊(集団軍)が存在するが、それが地理的区分で7つに分けられた7大軍区の一つである蘭州軍区傘下の二つの集団軍のうちの一つである(もうひとつは第21集団軍)。
またこの部隊は、かつて国防相をつとめた彭徳懷将軍や、最近では郭伯雄前中央軍事委員会副主席、現役では常万全国防相、この6月末に将軍のなかで最高位の上将に昇格したばかりの徐粉林将軍(広州軍区司令員)などがトップを歴任したエリート機動部隊だ。
「複雑な電磁環境下」とか「情報化の条件の下」といった文字が踊る近年の軍の動向をみる上で、言葉通りの近代化が必ずしも成し遂げられているわけではない実態をはからずしもこの報道は示したわけだ。
近代化を急ぐ解放軍であるが、問題は多く課題は山積している。
教育面での向上が図られ、高学歴の軍人が急増していて人材育成に力が入れられていることは窺える。
こうした面でしっかり教育が行われているのか、こうした人材が兵器装備の近代化にマッチしているのかも注目に値する。
もし軍におけるもっとも重要なファクターである人的側面、つまり人材育成にさえも形式主義が蔓延しているなら問題は単にお手盛り演習だけではない。
ここで問われるべきは演習計画を作成する士官や、形式主義を許容する指揮官たちの問題でもあるからだ。
むしろ反躬自省(はんきゅうじせい)すべきはそうした雰囲気を作った高級指揮官たちかもしれない。
弓野正宏 (早稲田大学現代中国研究所招聘研究員)
』