2013年10月28日月曜日

武器輸出解禁を目論む日本:解禁の可能性は


●2013,10式戦車スラローム射撃の命中精度 Type10 Slalom Shooting


●海上自衛隊 救難飛行艇 US-2 着水・離水



「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年10月28日
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2013-10/28/content_30425826.htm

 武器輸出解禁を目論む日本①:「一石三鳥」の狙い

日本政府は、川崎重工が英国海軍に軍艦に搭載可能なエンジン部品を間接的に提供することを許可した。
武器輸出三原則の束縛を受けてはいるが、日本が武器を間接的に輸出するのは、これが初めてのことではない。

2011年末、時の野田政権は武器輸出三原則を大幅緩和した。
現在の安倍政権は「解禁」を喧伝・推進しているが、その目的は何か。
軍事専門家の李傑氏は、日本政府が武器輸出の緩和を試みることには、次の三つの目的があると分析した。
(1).中国との間に領土問題を抱える国に武器を売り、中国を包囲する。
(2).生産量拡大などの措置を通じ、日本国内の軍需企業を支援する。
(3).米国に探りを入れ、日本を正常な国に変える地ならしをする。

■.武器輸出解禁、真の大国に

★.一羽目の「鳥」:中国包囲
日本メディアは14日、日本政府は川崎重工が英国海軍に軍艦に搭載可能なエンジン部品を間接的に提供することを許可し、既存の武器輸出三原則に違反しないと判断したと報じた。
日本メディアは15日、安倍首相が武器輸出を規制する関連政策の年内大幅改正を検討していると伝えた。

李氏は、日本は武器輸出により中国を包囲しようとしていると分析した。
三原則が改正されれば、日本の武器輸出の対象は、技術が遅れた国と地域が中心になる。
日本は中国周辺の、中国との間に領土問題を抱える国に武器を輸出し、中国周辺の安全環境を破壊し、海・空から第一・第二列島線の中国に対する妨害を強化する。
これは中国包囲、中国の大洋進出阻止という計算であり、中国の海外戦略に厄介事をこしらえようとしている。

日本は自国が力不足であることを理解しており、その他の国の力を借りて、中国を「束縛」しようとしている。
防衛省は今年1億6000万円の予算を拠出し、東南アジア諸国を援助し、その軍事対応能力を強化したが、これも同じような狙いによるものだ。

★.二羽目の「鳥」:軍需企業の支援
武器輸出解禁の二つ目の目的は、本国の軍需企業の支援だ。
李氏は、日本の軍需企業の技術力と生産能力はいずれも高く、精密機器や電子ハイテク技術で日本はトップクラスだと指摘した。
しかし日本の武器輸出は長期的に規制されており、軍需産業が急速な発展を実現できなかった。
武器輸出の解禁を推進することで、国内経済の発展と雇用創出をけん引できる。
特に現在は景気が低迷しており、この解禁が高い効果を発揮する。

日本の軍需産業の生産能力は「アジア一」を評価されたことがある。
1000社余りが軍需関連企業であり、その中には三菱重工や川崎重工などの12社の中堅企業があり、自衛隊の90%以上の武器を提供している。
しかしこれらの数社が軍需品に占める比率は全体の2−10%のみで、高い潜在能力を残している。
武器輸出は軍需産業の技術的基礎を維持・強化でき、大量生産により高い利益を得ることが出来るため、「コスト削減につながる」とされている。

自衛隊の90式戦車を例とすると、過去20年間の調達数は計341台のみだった(米国のM1シリーズの戦車は10数年間で1万2000台が生産された)。
つまり高額の研究費と生産ラインの費用を、この341台で分担しなければならない。
これにより90式戦車の価格は1990年に900万ドルに達し、M1エイブラムスの2倍以上となった。

★.3羽目の「鳥」:敗戦国の汚名を返上
武器輸出解禁は、軍需産業の小規模・高コストの問題を解消し、「軍事力の間接的な強化」を促す。
日本はタイミングを伺っており、自衛隊の緩やかな変化により、正常な国になるための地ならしを進めていると分析されているほどだ。

李氏もこの観点に同意し、安倍首相が武器輸出を解禁しようとしているのは、日本を正常な国に変える地ならしを進めるためだと指摘した。
日本は敗戦国として攻撃的な武器の発展を禁じられている。
平和憲法は、日本が攻撃的な武器と手段を保有・使用することを禁じている。
日本国内では現在、「外国が輸出できるのに、なぜ日本が輸出できないのか」という思想が勢いを見せている。
彼らは武器輸出解禁によって、日本が政治・軍事大国であることを示せると考えている。



「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年10月28日
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2013-10/28/content_30426094.htm

 武器輸出解禁を目論む日本②:解禁の可能性

 日本メディアは、「三原則に基づき講じられた輸出禁止措置は、安倍政権より先に何度も打破されている。
 世論は三原則を形骸化させるよりは、全国民の理解を基礎とし、新たな武器輸出基準を制定し、政策決定の透明度を高めることに期待している」と分析した。

 日本が武器輸出の規制緩和を求めていることについて、李氏は「危険度が高まっており、解禁の可能性は高い」と語った。
 安倍首相は扇動に長けており、「日本は非正常な国だ、軍隊まで自衛隊と呼ばなければならない」という角度から、国連安保理常任理事国入り、正式な軍隊の創設を求めている。
 そうなれば武器の面でも追いつかなければならず、その際に武器輸出三原則の根本的な見直しを提案することになる。

 李氏は、解禁の最大の障害は米国だと指摘した。
 しかし米国は現在、日本が前線に立ち東アジア情勢を混乱させることを必要としている。
 米国はそこから漁夫の利を得ることができ、日本の一部の行為を放任すると見られる。



「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年10月28日

 武器輸出解禁を目論む日本③:主力武器一覧

●.10式戦車
 三菱重工が生産する第4世代戦車の10式戦車は最新の技術成果「C4I」を搭載し、指揮・統率・通信・コンピュータ・情報を集約化し、戦車間の情報共有を実現した。
 歩兵のように野外コンピュータ・ネットワーク・システムにより一体化し、戦車と歩兵の協力を図る。

●.アジア一流の軍艦
 海上自衛隊は各艦艇を約160隻保有しており、そのトン数は計45万トン以上に達する。
 海上自衛隊は、最新型のあきづき型ミサイル駆逐艦、16隻以上の潜水艦、排水量1万3500トンのひゅうが型ヘリ搭載駆逐艦を保有している。
 そのうち「ひゅうが型」の「ひゅうが」と「いせ」はヘリコプターを搭載でき、サイズが大型であるため「準空母」と呼ばれている。
 新型ヘリ搭載駆逐艦「22DDH」の1番艦「いずも」が今年8月に進水を終え、2015年に正式に配備される見通しとなっている。

●.水陸両用機US-2
 世界で水陸両用機を製造できる国は、日本・カナダ・ロシアの三カ国のみだ。
 日本の水陸両用機は、新明和工業が生産するUS-2で、主に救難・捜索および海上監視に用いられる。
 機体の重量は約40トンで、飛行速度は時速90−100キロに達し、超低空飛行が可能で、波の高い海上に降りることもできる。
 エンジンには特殊な設計が施されており、最長行動半径は1900キロ、捜索時間は2時間に達し、途中給油により航続距離が4500キロに達する。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年10月28日
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2013-10/28/content_30426329.htm

 武器輸出解禁を目論む日本④:大型軍需企業一覧

★.三菱重工:圧倒的なリーディングカンパニー
 三菱重工は日本最大かつ最も全面的な軍需品製造メーカーで、製品には戦車、艦艇、戦闘機、航空宇宙システム、ロケットなどが含まれる。
 三菱重工が毎年生産する軍需品は、日本防衛製品の約30%を占める。
 米国がこのほど発表した「世界軍需企業トップ100」のうち、三菱重工は33位に入選した。
 三菱重工は一度解体されたが、1964年に再編された。

 三菱重工は船舶・艦艇の製造から始まり、100年以上の軍艦建造の歴史を有する。
 三菱重工は長崎造船所・神戸造船所・下関造船所を持ち、海上自衛隊の約半数の潜水艦と3分の1の駆逐艦を建造している。

★.ミネベア:精密部品メーカー
 ミネベアは世界で最も重要なギアメーカーで、空対地爆弾投下装置、火工品(火薬を使用する特殊部品)、火器の製造を得意とする。
 ミネベアは第二次世界大戦の空襲で焼け残った工場で生産を開始してから徐々に拡大した。
 現在の従業員数は260人未満だが、その製品の種類は1200−2000種に達している。
 その中心は、航空機や魚雷用の部品だ。
 ミネベアには生産ラインがなく、すべての部品は受注後、従業員の手作業によって加工される。ミネベアの生産原則は、
 「製品が必要なタイミングに100%使用する」
だ。



「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年10月28日
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2013-10/28/content_30426362.htm

 武器輸出解禁を目論む日本⑤:度重なる輸出禁止の打破

 佐藤栄作政権は1967年、「共産主義陣営、国連が禁止する国、国際紛争の当事国、国際紛争が発生しうる当事国」に対する武器輸出を禁じた武器輸出三原則を発表した。
 この三原則はその後、日本の武器開発・輸出の普遍的な原則となり、米国以外の国との武器の共同開発・生産・輸出が禁じられた。

 しかし民主党政権・自民党政権に関わらず、日本政府は本国企業の小規模かつ間接的な海外への武器提供には満足できなくなっており、その三原則の輸出禁止措置が何度も打破されている。

 同原則は1983年、一定の条件を満たした場合、米国のみに武器技術を提供できると改正された。
 日本政府は2004年12月、日本と米国が共同開発・生産した迎撃ミサイルには、武器輸出三原則が適用されないと発表した。
 また2006年8月に米国と協議した結果、日本は「国家安全の需要」に基づき、「厳格なコントロール」を受け、第三国に迎撃ミサイルを輸出できることになった。

 2011年末、時の野田政権は武器輸出三原則を大幅緩和し、日本と安全協力関係を持つ国との武器・装備の共同開発・生産を認めた。
 日本政府が武器輸出基準を根本的に緩和したのは、40数年間で初めてのことだ

 情報によると、日本は今年10月14日、川崎重工が海上自衛隊の護衛艦に使われるエンジン部品を、英国海軍に間接的に提供することを許可した。



「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年10月28日
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2013-10/28/content_30426472.htm

武器輸出解禁を目論む日本⑥:日本の軍需産業の長所とは

 李氏は、「日本の軍需産業は、多くの分野で強みを持っている」と指摘した。
 日本は空母・原子力潜水艦などの攻撃的な武器の建造を禁止されているが、これらの大型武器が建造できないだけで、日本は中型以下の艦艇の高い設計能力・建造技術力を持つ。
 日本の先進的な航空機は、設計面では米国などの間に開きがあるが、高い加工能力を誇る。
 陸戦の武器についても、日本は自国の特色を持っている。
 また日本の軍需企業の電子技術・光学機器などは世界一流であり、日本製の光学偵察衛星は世界トップクラスだ。

 日本のそうりゅう型通常動力潜水艦は世界トップ水準に達しており、航続距離が長く、静音効果に優れ、高い攻撃能力と機動性を持つ。

 しかし李氏は、将来的に大型の攻撃的な武器の製造が解禁されたとしても、日本は研究開発と製造に時間が必要だと指摘した。
 また、まずは自衛隊の需要を満たす必要があるため、短期間内にこれらの武器が輸出されることはない。
 仮に米国の支持が得られれば、日本は米国の力を借り、ひゅうが型ヘリ搭載駆逐艦をベースとし、空母を開発する可能性がある。
 しかし日本には空母艦載機を製造する能力がなく、米国から調達しなければならない。
 日本は2011年末に米国と、今後10年間に渡り42機のF-35戦闘機を調達する契約を締結した。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年11月7日
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2013-11/07/content_30527885.htm

 日本がC-2輸送機の輸出を検討 中日関係に影響か


●資料写真:日本のC-2軍用輸送機

 日本の消息筋によると、日本は戦後初となる軍用機の海外輸出を検討しており、かつ国有銀行の低金利ローンを通じ、軍需市場で海外企業と競争する国内生産メーカーを支援する計画を立てている。
 6日付香港紙・文匯報が伝えた。

 これが実現されれば、長期的に武器輸出を禁止していた日本の政策に急展開が生じ、中日関係の悪化を招くと分析されている。

 消息筋によると、日本は川崎重工のC-2軍用輸送機、新明和工業のUS-2水陸両用機の輸出により、改憲政策の探りを入れようとしている。

 両社は禁止令を回避するため、民間用機の海外輸出を模索している。
 また安倍政権に対して、外国の航空機生産メーカーとの競争を後押しするため、財政支援をする意思がないかを確認している。

 日本はかつて政府開発援助(ODA)を通じ、フィリピンとインドネシアに日本製の海岸巡視船を提供した。
 問題は、ODAが軍事目的の援助を禁じていることだ。

 関係者は、
 「政府は国営の株式会社国際協力銀行(JBIC)を通じて、日本航空機メーカーに低金利ローンの支援を提供することを検討した」
と明かした。
 JBICの5年未満の貸付は、通常ならば約0.1%の利息しかとらない。
 JBICはこのほど国内企業を支援し、海外の大型インフラ整備を受注させた。

 新明和工業のインドへのUS-2販売に関する交渉が順調に進んでおり、軍事用に設計された日本の航空機が初めて海外から受注を獲得する可能性がある。


レコードチャイナ 配信日時:2013年11月8日 6時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78834&type=0

日本が戦後初めて軍用機を輸出か、中国とさらなる関係悪化の恐れも―香港紙


●6日、香港紙は日本政府高官の話として、日本が軍用機を民生用に転用して輸出する意向を持っていると報じた。実現すれば、第二次世界大戦後日本にとって初めての軍用機輸出となる。

 2013年11月6日、香港紙・文匯報は日本政府高官の話として、日本が軍用機を民生用に転用して輸出する意向を持っていると報じた。
 実現すれば、第二次世界大戦後日本にとって初めての軍用機輸出となり、これまでの武器輸出禁止政策を大きく転換することになるため、同紙は
 「中国とのさらなる関係悪化の恐れがある」
と分析している。
 中国新聞社が伝えた。

 関係者によると、民生用に転用して輸出する計画の軍用機は川崎重工が生産したC-2軍用輸送機と新明和工業のUS-2水陸両用飛行機。
 両社は輸出に大きな期待を寄せ、同時に政府の援助を打診しており、海外メーカーとの競合の一助にする考えを持っている。

 日本政府は、政府100%出資の特殊銀行・国際協力銀行(JBIC)を通じて低利の融資を実行し、軍用機メーカーを支援する意向だという。

 なお、新明和工業のUS-2水陸両用飛行機に関しては、インドへの輸出協議が順調に推移しており、初の海外受注ケースとなる可能性もあるとみられている。



●C-2輸送機 美保基地で試験飛行 2011年9月25日






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