●14日、英紙フィナンシャル・タイムズは、米国の東アジア・太平洋担当国務次官補を務めたカート・キャンベル氏の文章を掲載した。写真は日本の国会議事堂。
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「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年11月17日
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2013-11/17/content_30624838.htm
根本的な変革をとげる日本 「正常な国家としての地位」取り戻すこと目指す
英紙『フィナンシャル・タイムズ』14日付にカート・キャンベル前米国務次官補の文章が掲載された。
キャンベル氏は日本の現状について、
「日本は今、根本的な変革を遂げている最中であり、
アメリカはこれに対し、2パターンの行動をとることができる」
と指摘した。(以下は内容の抜粋)
日本の変化が最も大きく表れているのは世論である。
世論調査の結果は、極めて短い期間で、日本に新たな以下のような強い傾向が出現したことを示している。
★.中国に対する懐疑心、強いては敵意が日増しに強まっている。
★.韓国との関係が悪化し続けている。
軍拡や防衛力強化にますます力を入れている。
第2次世界大戦時の日本の歴史問題の矛盾が深まっている。
近年の「失われた10年」以降、日本は大きな変革の時期に突入している可能性がある。
政治の表舞台に戻ってきた自民党の安倍晋三は2012年、選挙で大勝を収め、再び首相の座に返り咲いた。
そのことが、世論とそれに伴う政治情勢の根本的な変化を反映している。
安倍首相と側近らは一連の大胆なマクロ経済政策と構造的な改革を推し進め、続く日本の低迷を打開することを目指した。
輸出と株式市場の短期的な回復は、人々の期待感を後押しした。
しかしながら、安倍首相は経済改革よりもはるか遠くを見据えていた。
揺るぎのない明白な決意を持って政権を再び握った安倍首相は、
国際舞台における日本の地位回復を狙って
いた。
朝鮮は挑発を繰り返し、中国は「アジア太平洋地域での主導権を狙う」動きを強めており、
隣国の動きがますます予想できなくなり、強いては危険な存在になりつつある
というのが日本の見方である。
70年間近く、屈辱を忍んできた日本は、歴史という枷をはずそうとしている。
枷がかかっていることで、厳格な意味での自衛の他、日本は国防や安全保障に関する行動を一切取ることができないでいる。
安倍首相の動機はアジア地域の現実的な情勢に直接起因するものであるものの、日本政府の歴史修正主義から来る言論や、1937年の日中戦争などの歴史、日本の軍国主義による過ちなどを考えると、日本はアジア地域の国々の懸念要素となっている。
反戦主義は日本社会に深く根付いているものの、一部の有識者は日本の地位がおろそかにされていると考えており、もっと尊重されるべきであると主張している。
日本の急速な変化について、アメリカが取れる行動は2パターンある。
①.一つは譲歩。
そうなれば、日本は自国の安全保障において特別な役割を果たしてきたアメリカの存在を無視し、外部の力に左右されずに変化を続ける。
②.もう一つは、日本との関係をより緊密なものにすることだ。
日本にアドバイスを与え、
「正常な国家としての地位」を取り戻そうとしているなる日本を導く
のである。
日本の一部の戦略家は、「正常な国家としての地位」を取り戻すことを以前から切望していた。
この二つ目の行動にはリスクと不確定要素も存在する。
しかし、アメリカがアジア地域における最も重要な両国関係の一つを維持するための重要な方法でもあり、同地域の飛躍的な経済成長は常にこのような両国関係が土台となっていた。
日本にとって言えば、
アジア地域で孤軍奮闘するよりも、アメリカと協力して変革と発展を目指すことの方がメリットが大きい。
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尖閣反日デモ以降の事の動きを冷静に見てみればわかることがある。
これを期に何かが大きく変わったということである。
尖閣反日デモは中国民衆に自己の力に目覚めさせ、それが国内不安を高め、三中全会での中国版KGBの設立へとつながる。
また同時にそれは、日本は2/3世紀にわたる「屈辱を忍んできた日本は、歴史という枷を外し」て、
「正常な国家としての地位」をとりもどそうとする動きへと発展していく。
この動きを大きく後押し、これまでの世界における中国の位置づけを大きく変えたのは、その数カ月後に発生した中国全土に渡る大気汚染という動かしがたい、可視的な自然現象であった。
これは通常なら考えられないことだが、尖閣デモの直後に発生したという歴史的な同時性を見せている。
日本にとってはまさにグッドチャンスであり、中国にとっては「なぜいまここで問題として発生するのだ」という恨みに近いものになる。
これが報じられると、大気のみでなく、土壌汚染から地下水汚染、海水汚染、疾病蔓延、薬害汚染、飲料水不足までありとあらゆる汚染が、中国発で世界に発信されることになった。
それまで中国の経済成長は賞賛の的であったものが、一転して中国は環境汚染の地獄になってしまった。
中国をヨイショしていたメデイアは手のひらを返すようにその態度を変えて、非難の唱和に変貌した。
「希望と輝きに満ちていた地」と宣伝していた欧州メデイアは「人の暮らせない土地」とまで言い切っている。
経済的には2015年バブル崩壊説が力を帯び、中国の圧縮経済の発展のヒズミが中国の将来を暗いものに変えつつある。
ゼニのある共産党幹部は先を争って移住を実行していると。
尖閣に話を戻せば、ハト派の民主党政権を引っ込め、タカ派の安倍政権を誕生させたのは中国の恫喝力によっている。
これが、中国の犯した2番目の失敗となっている。
通常なら自国に有利なようにハト派を応援して、タカ派を蹴落とす手助けをするのが常識だが、中国はハト派を脅して、タカ派を呼び出してしまった、ということになる。
このへんがまだ外交に慣れていないということである。
裏芸が使えない、外交芸に通じていないということになる。
なにしろ超タカ派と分かっている安倍さんを圧勝させるに最も力を貸したのが中国であったというのだから話にもならない。
安倍さんと習近平が各々のトップになったときに、第二幕が上がったということになる。
安倍さんは明確な中国との対峙を前面に出し、これに対抗する中国の反発力を引き出し、それをうまく操ってこの記事でいう「正常な国家」、安倍さんに言わせると「普通の国」を作ろうと歩みを進めることになる。
中国の強硬な脅しに屈することのない日本の姿勢を見て、中国はそれまでの傲慢な態度を変え、
「問題があることを認めれば、中国は其の問題を棚上げにしてもよい」
とまで大幅に後退してしまったが、日本は
「領有権問題は存在しない」
とビシッと言い切っている。
こうなると中国は袋小路に落ち込んでしまうことになる。
打つ手がなくなり、ダンマリ戦術に入っていく。
中国はKGBを作らねばならぬほど国内が不安化しており、とても尖閣奪回なんてことは夢のまた夢で、そんなことをやろうものなら、共産党政権が崩壊してしまうことにもなりかねない。
いまは、ダンマリを続け、事態の展開を眺めるだけのことになっている。
しかし、それでは日本にとってマイナスになるので、ほとんど動けない中国を様々な手法をもって挑発をかけている。
それに反発して中国が動くことはないにしても得意の大ホラ吹きのラッパを奏でてくれれな、日本を動かすテコ、あるいはエネルギーになってくる。
中国のちょっとした動きを、針のものを棒に拡大しているのがいまの日本とみていい。
こんなところが尖閣問題以降の事態の推移だろうか。
いまの状態は、中国が具体的には何様にも動けずダンマリをメインにし、日本は様々なキッカケを捕まえては中国の挑発に動いている、ということである。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年11月19日 14時5分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79311&type=0
米前国務次官補が指摘「根本的な変革期にある日本に、米国が道しるべを」―英紙
2013年11月14日、英紙フィナンシャル・タイムズは、アジアグループ会長兼CEOで、米国の東アジア・太平洋担当国務次官補を務めたカート・キャンベル氏の文章を掲載した。
参考消息網が15日付で伝えた。以下はその概要。
多くの人々はアジアで根本的な変革が起きていることに気付いていない。
日本を例に取れば、数代にわたって
日本をリードしてきた政策や外交に関する基本原則が変わろうとしている。
日本の変革は国民の態度に最もよく現れている。
世論調査によると、日本では新しい動きが一夜にして誕生した。
それは、中国に対する懸念ひいては敵意が日増しに深まり、韓国関係も日々緊張し、国防力増強への関心が高まり、第二次大戦から続く歴史認識問題への矛盾が激化しているというものだ。
自民党の安倍晋三党首が首相の座に再び就いた。このことは、国民の態度や政治情勢が根本的に変化していることを明確に証明するものだ。
米国がとる行動には二つのパターンが考えられる。
一つは、米国が一歩引き、日本を外部の力を受けさせないで変化させることだ。
もう一つは、米国が日本との距離を縮め、日本が「正常な」国となるための道しるべを示すことだ。
日本の一部政治家は「正常な」国家の地位を渇望して久しい。
後者のパターンには危険と不確実性を伴うが、日本との関係を良好に保つ最善の方法だ。経済の「奇跡」はこうした良好な関係に基づいて発展していく。
日本はアジアにおいて単独で戦うよりも、米国と提携して変革と発展を推し進めていくほうが望ましいだろう。
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