●.11月14日、台風30号が甚大な被害をもたらしたフィリピンに中国は当初わずか10万ドルの支援を申し出たが、中国が支援を渋るのにはいくつかの理由がある。写真は救援物資を運ぶフィリピン兵士。11日撮影(2013年 ロイター//Edgar Su)
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ロイター 2013年 11月 15日 15:46 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE9AE04I20131115
コラム:中国がフィリピン台風支援金を渋る理由
台風30号がフィリピンに甚大な被害をもたらしたことを受け、約1000キロ離れた中国の習近平国家主席は、他の先進国と同様に経済的な支援を約束した。
支援金の額は、オーストラリアが3000万ドル(約30億円)、欧州が1100万ドル、アラブ首長国連邦(UAE)が1000万ドルだったのに対し、中国は10万ドルだった。
メディアからの批判は即座に起こった。
ばつの悪い思いをした中国政府は数日後、160万ドル相当の追加支援を行うと発表。
2010年に日本を追い抜き、世界第2位の経済大国になった中国だが、
支援金の総額は日本の6分の1にも満たない。
経済は巨大化し、海外投資を加速している中国がなぜ、困窮する隣国への支援を渋るのだろうか。
それは、中国がまだ大国になったばかりで、国際支援に資金提供する習慣がないこと。
そして、フィリピンが中国と友好関係にないことが理由だ。
また、経済大国になったとはいえ、中国は依然として貧しい国であることも背景にある。
昨年の1人当たり国民所得はようやく9000ドルを超え、世界で90位前後にランクされた。
国民の約1億3000万人が1日1ドル80セント以下で暮らしている。
多くの経済改革の実行が迫られる中、国内に優先すべき課題が多過ぎて、外国のために巨額の小切手を切る余裕はない。
これは、少なくとも途上国なら当然考えることだろう。
2008年の四川大地震では約7万人が死亡。
今年4月にも南西部で地震が発生し、約200人が死亡した。
中国は自国の災害支援にも苦悶している。
さらに思い出してもらいたいのは、フィリピンが米国の旧植民地であることだ。
すでに数百人の米兵が、今回の台風の救援活動に参加している。
これに加え、中国は南シナ海での領有権を主張しており、領海問題も存在する。
中国にとって、多額の資金を外国に提供すること、特に領海をめぐり対立する国への提供は優先すべきことではないのだ。
台風被害の支援活動が、事態打開のチャンスになると考えるのは容易だ。
しかし、国際的な世論を変える手段として米国が外国支援を用いるのに対し、中国が同様の考えを持っているとは限らない。
中国は事実上、外国支援を推進する基盤がないと言える。
米国国際開発庁(USAID)やハビタット・フォー・ヒューマニティなどに相当するNGOが同国にはない。
中国外交団の任務の大半は、国営企業が海外で行う事業によって決められる。
中国は無償の提供ではなく、投資を通じて他国に好まれたいと考えている。
中国が発展を続ければ、危機が生じた際の国際社会の対応が根本的に変わってくるだろう。
中国は脱米国化した世界を望み、その一方で米国は伝統的な積極外交の政策から距離を置こうとしている。
しかし、依然貧しい中国が世界第1位の経済大国になった場合、世界は災害支援をどこに頼るのだろうか。
1年前に起きた米東部コネティカット州ニュータウンの小学校銃乱射事件後、子ども向け番組の司会者「ミスター・ロジャース」の言葉が反響を呼んだ。
「私が小さかった頃、ニュースで恐ろしいものを見ると、母はこう語り掛けてくれた。
『助けてくれる人を探しなさい。そういう人はいつでも見つかるはず』。
私は今でも『災害』に接すると、母の言葉を思い出す。
そして、いつも多くの支援者がいることを知って安心する。
世界には優しい人がたくさんいる」
世界第1位の経済大国が、国際社会の期待に応えようとしない国になったらどうなるだろうか。
そうなれば、台風や地震被害の支援を超える大きな問題だ。
国際政治学者イアン・ブレマー
*筆者は国際政治リスク分析を専門とするコンサルティング会社、ユーラシア・グループの社長。スタンフォード大学で博士号(政治学)取得後、フーバー研究所の研究員に最年少で就任。その後、コロンビア大学、東西研究所、ローレンス・リバモア国立研究所などを経て、現在に至る。全米でベストセラーとなった「The End of theFreeMarket」(邦訳は『自由市場の終焉 国家資本主義とどう闘うか』など著書多数。
*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年11月17日 12時43分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79242&type=0
<台風30号>フィリピン政府は無能、世論が批判=米軍、自衛隊らが頼みの綱に―中国メディア
●.16日、環球時報は記事「緩慢な救援作業、フィリピン世論は“無能政府”を批判、外国軍が最大の希望」を掲載した。救援作業の遅れで現地住民の不満が高まるなか、外国軍への期待が高まっているという。資料写真。
2013年11月16日、環球時報は記事
「緩慢な救援作業、フィリピン世論は“無能政府”を批判、外国軍が最大の希望」
を掲載した。
台風30号で深刻な被害を受けたフィリピンだが、救援作業が遅れている。
14日、現地を視察した国連関係者は救援隊の多くが被災地に入れず作業が遅れていること、支援物資が不足していることを指摘し、「民衆を失望させていることを痛感した」とコメントした。
こうした状況で外国軍が最大の希望となっている。
現在、1300人を超える米軍が救援活動に従事しているほか、日本自衛隊の先遣隊も被災地入りした。
カナダ、イスラエル、スペイン、マレーシアの軍も続々被災地入りしている。
こうした中、中国の追加援助が注目されている。
環球時報は15日付の社説で「中国も艦艇を派遣するべきだ」と主張している。
16日夜、中国外交部は緊急援助医療隊の派遣を表明した。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年11月17日 12時43分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79242&type=0
<台風30号>フィリピン政府は無能、世論が批判=米軍、自衛隊らが頼みの綱に―中国メディア
●.16日、環球時報は記事「緩慢な救援作業、フィリピン世論は“無能政府”を批判、外国軍が最大の希望」を掲載した。救援作業の遅れで現地住民の不満が高まるなか、外国軍への期待が高まっているという。資料写真。
2013年11月16日、環球時報は記事
「緩慢な救援作業、フィリピン世論は“無能政府”を批判、外国軍が最大の希望」
を掲載した。
台風30号で深刻な被害を受けたフィリピンだが、救援作業が遅れている。
14日、現地を視察した国連関係者は救援隊の多くが被災地に入れず作業が遅れていること、支援物資が不足していることを指摘し、「民衆を失望させていることを痛感した」とコメントした。
こうした状況で外国軍が最大の希望となっている。
現在、1300人を超える米軍が救援活動に従事しているほか、日本自衛隊の先遣隊も被災地入りした。
カナダ、イスラエル、スペイン、マレーシアの軍も続々被災地入りしている。
こうした中、中国の追加援助が注目されている。
環球時報は15日付の社説で「中国も艦艇を派遣するべきだ」と主張している。
16日夜、中国外交部は緊急援助医療隊の派遣を表明した。
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何か、最近の中国はめちゃくちゃな論理で動いているような感じもするのだが。
フィリピン政府が無能だとと言葉汚く罵ってみたところで、フィリピン民衆の救助を行っているのはアメリカであり日本である。
アメリカは1,300人を投入し、日本は1,200人の人手を救助に向かわせている。
中国は罵るだけで何もしていない。
中国の最初の援助額は、韓国のキム・ヨナと同じ「1千万円」。
個人と同額の義援金を出すとはあまりにケチ。
一時は1万人を超える死者が出ているとウワサされている災害に1千万円とはあまりに国家としての常軌を逸していると言える。
国際的な非難を浴びていやいや1億6千万円を追加したが、
それでも韓国の1/3、日本の1/6にすぎない。
こういう状態を世界はどうみるか。
「中国という国」を見る目は如何になるだろうか。
世界のほとんどが中国とフィリピンが領有権問題で争っていることなど知らない。
アジア人の大半も知らない。
周辺国でも、政治に無関心な層は知らない。
ニュースになるのは、アメリカと日本が大々的に援助活動を行っているし、行おうとしていることである。
それに対して隣国にして大国の中国はまったく何もしていないということである。
このことがまずニュースを見る人に訴えかける。
「ええ、中国は何もしていないのか!」と。
日本は艦艇3隻、固定翼機10機、ヘリコプター6機を救助に使うという。
救援映像がニュースとなって世界を飛び回る。
「フィリピン救助に全力投入の日本」ということになる。
一方、口ではでかいことを言っている自称「大国中国」であるが、周辺国には非常時に何もせずに
「サイフを握り締めて離さない中国」
という評価が定着していく。
世界は思う、
「本当に中国は世界の大国としての責務をはたせるのか」と。
そのように見た時、果たして
周辺国はもし災害があったとき、中国に信頼を寄せるか、日本に援助を求めるか
ということになる。
その時のことを考えて、日常の外交も動いていくことになる。
アメリカは1,300人を投入し、日本は1,200人の人手を救助に向かわせている。
中国は罵るだけで何もしていない。
中国の最初の援助額は、韓国のキム・ヨナと同じ「1千万円」。
個人と同額の義援金を出すとはあまりにケチ。
一時は1万人を超える死者が出ているとウワサされている災害に1千万円とはあまりに国家としての常軌を逸していると言える。
国際的な非難を浴びていやいや1億6千万円を追加したが、
それでも韓国の1/3、日本の1/6にすぎない。
こういう状態を世界はどうみるか。
「中国という国」を見る目は如何になるだろうか。
世界のほとんどが中国とフィリピンが領有権問題で争っていることなど知らない。
アジア人の大半も知らない。
周辺国でも、政治に無関心な層は知らない。
ニュースになるのは、アメリカと日本が大々的に援助活動を行っているし、行おうとしていることである。
それに対して隣国にして大国の中国はまったく何もしていないということである。
このことがまずニュースを見る人に訴えかける。
「ええ、中国は何もしていないのか!」と。
日本は艦艇3隻、固定翼機10機、ヘリコプター6機を救助に使うという。
救援映像がニュースとなって世界を飛び回る。
「フィリピン救助に全力投入の日本」ということになる。
一方、口ではでかいことを言っている自称「大国中国」であるが、周辺国には非常時に何もせずに
「サイフを握り締めて離さない中国」
という評価が定着していく。
世界は思う、
「本当に中国は世界の大国としての責務をはたせるのか」と。
そのように見た時、果たして
周辺国はもし災害があったとき、中国に信頼を寄せるか、日本に援助を求めるか
ということになる。
その時のことを考えて、日常の外交も動いていくことになる。
この件で
日本と中国のアジアにおける存在感がガラリと変わる
ような予感がする。
日本のこのような大規模な救援態勢には当然日本としても思惑がある。
東日本大津波のときの世界からの援助に感謝する意味も確かにある。
だが、その本当の目的はアジアに日本の軍事力の存在を認知させることにある。
これまで陽の目をみることのなかった自衛隊はアジアの国々にとってまぼろしの存在でしかない。
この救援活動を通じてその持つ強力さをアピールし、アジアのどこにでも行けますよ、いつでも助けに動きますよ、それはちゃちな救援とは違い、オールジャパンであたりますよという認識をアジアの国々の意識に植え込むことにある。
そうすることで、日本は十二分に中国に対峙できる力をもっていますよ、という宣伝をすることになる。
なにも中国に一方的に怯えることはないのですよ、
日本はちゃんとした力をもって中国に向き合うことのできる国なのですよ、
ということを知らしめるということになる。
日本の軍事力は平時、今回のような救援活動にも充分に運用されるますので、周辺国のみなさん、安心して日本に頼ってください、日本の軍事力は戦争のためにのみ運用されるようなものではないのですよ、アジアの民にとって頼りになる存在なのです、
ということを目に見える形をもって実演するということが今回の目的でもあるのである。
『
(2013年11月17日23時13分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131117-OYT1T00455.htm
中国国内からも人的貢献求める声…比に医療隊
【北京=五十嵐文】中国外務省は16日、台風で大きな被害を受けたフィリピンで支援活動を行うため、「緊急援助医療隊」を派遣すると発表した。
条件が整い次第、被災地に向かう。
中国はこれまで、中国赤十字会と合わせて20万ドル(約2000万円)の資金援助と、毛布など1000万元(約1億6000万円)相当の物資を提供すると表明していたが、人的支援を発表したのは初めて。
フィリピンでは、自衛隊や米軍などが大規模な支援を展開している。
こうした中、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報が15日付社説で「中国もフィリピン救援で軍艦を派遣すべきだ」と主張するなど、軍隊を含む人的貢献を求める声が出ていた。
』
『
CRI online 2013-11-17 13:05:02
http://japanese.cri.cn/881/2013/11/17/241s214771.htm
中国 フィリピン被災地に医療チーム派遣の意向
中国外務省の洪磊報道官は16日の記者会見で、中国政府がフィリピンの被災地に、人道主義による緊急医療援助チームを派遣する意向を示しました。
洪磊報道官はその際「中国側はフィリピンが台風30号による大きな被害を受けたことに非常に関心を寄せている。
中国政府は被災状況とフィリピン側の需要を踏まえ、被災地に人道主義援助を提供する考えを何度も表明した。
緊急医療援助チームや中国赤十字会傘下の青空救援チームなど民間救援機構がフィリピンに赴き、援助活動に参加する考えを表明している。
医療援助についてはフィリピン側と意思疎通を保ち、条件が揃い次第直ちにフィリピンの被災地へ赴き、救援活動に参加することになる」と述べました。
』
後手後手に回っている中国である。
1000万円の義援金で、世界から「ケチ」と言われ、しかたなくさらに1億6000万円の追加を発表することになってしまった。
次に、フィリピン政府を無能と言い放ったが、そんな事態ではないだろうとこれにもケチがついて「緊急援助医療隊」を派遣することになった。
どうにも、世界が見えていない中国、殻にとじこもりつつある中国といった感じがする。
周りの様子を見て、非難を受けたら動き出すという、こういうイヤな態度をとりつづけていると、信用を失い外交ができなくなる。
もしかしたら中国は末期的な症状を呈する状況に入りつつあるということだろうか。
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日本と中国のアジアにおける存在感がガラリと変わる
ような予感がする。
日本のこのような大規模な救援態勢には当然日本としても思惑がある。
東日本大津波のときの世界からの援助に感謝する意味も確かにある。
だが、その本当の目的はアジアに日本の軍事力の存在を認知させることにある。
これまで陽の目をみることのなかった自衛隊はアジアの国々にとってまぼろしの存在でしかない。
この救援活動を通じてその持つ強力さをアピールし、アジアのどこにでも行けますよ、いつでも助けに動きますよ、それはちゃちな救援とは違い、オールジャパンであたりますよという認識をアジアの国々の意識に植え込むことにある。
そうすることで、日本は十二分に中国に対峙できる力をもっていますよ、という宣伝をすることになる。
なにも中国に一方的に怯えることはないのですよ、
日本はちゃんとした力をもって中国に向き合うことのできる国なのですよ、
ということを知らしめるということになる。
日本の軍事力は平時、今回のような救援活動にも充分に運用されるますので、周辺国のみなさん、安心して日本に頼ってください、日本の軍事力は戦争のためにのみ運用されるようなものではないのですよ、アジアの民にとって頼りになる存在なのです、
ということを目に見える形をもって実演するということが今回の目的でもあるのである。
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(2013年11月17日23時13分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131117-OYT1T00455.htm
中国国内からも人的貢献求める声…比に医療隊
【北京=五十嵐文】中国外務省は16日、台風で大きな被害を受けたフィリピンで支援活動を行うため、「緊急援助医療隊」を派遣すると発表した。
条件が整い次第、被災地に向かう。
中国はこれまで、中国赤十字会と合わせて20万ドル(約2000万円)の資金援助と、毛布など1000万元(約1億6000万円)相当の物資を提供すると表明していたが、人的支援を発表したのは初めて。
フィリピンでは、自衛隊や米軍などが大規模な支援を展開している。
こうした中、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報が15日付社説で「中国もフィリピン救援で軍艦を派遣すべきだ」と主張するなど、軍隊を含む人的貢献を求める声が出ていた。
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CRI online 2013-11-17 13:05:02
http://japanese.cri.cn/881/2013/11/17/241s214771.htm
中国 フィリピン被災地に医療チーム派遣の意向
中国外務省の洪磊報道官は16日の記者会見で、中国政府がフィリピンの被災地に、人道主義による緊急医療援助チームを派遣する意向を示しました。
洪磊報道官はその際「中国側はフィリピンが台風30号による大きな被害を受けたことに非常に関心を寄せている。
中国政府は被災状況とフィリピン側の需要を踏まえ、被災地に人道主義援助を提供する考えを何度も表明した。
緊急医療援助チームや中国赤十字会傘下の青空救援チームなど民間救援機構がフィリピンに赴き、援助活動に参加する考えを表明している。
医療援助についてはフィリピン側と意思疎通を保ち、条件が揃い次第直ちにフィリピンの被災地へ赴き、救援活動に参加することになる」と述べました。
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1000万円の義援金で、世界から「ケチ」と言われ、しかたなくさらに1億6000万円の追加を発表することになってしまった。
次に、フィリピン政府を無能と言い放ったが、そんな事態ではないだろうとこれにもケチがついて「緊急援助医療隊」を派遣することになった。
どうにも、世界が見えていない中国、殻にとじこもりつつある中国といった感じがする。
周りの様子を見て、非難を受けたら動き出すという、こういうイヤな態度をとりつづけていると、信用を失い外交ができなくなる。
もしかしたら中国は末期的な症状を呈する状況に入りつつあるということだろうか。
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