2013年11月7日木曜日

都市化、貧困化そして老齢化:中国の将来に明るさはあるのか?

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●4日、中国民政部の李立国部長は今月2日に開催された「2013年中国高齢者事業発展トップフォーラム」において、「中国は、高齢者人口が世界で最も多い国だ」と述べた。


レコードチャイナ 配信日時:2013年11月7日 17時44分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78761&type=0

今後10年間の貧富の差、経済学者の見方分かれる―中国メディア

 2013年11月5日、中国社会科学院工業経済研究所が今月4日に発表した、経済学者が高い関心を寄せる問題についての調査報告書「中国経済学人熱点調研」(第二期)によると、今後10年間の中国の貧富の差について、経済学者の間では見方が分かれている。
 今後10年間の貧富の差について、「悪化する」、「改善する」、「現状維持」、「わからない」の4択で答えたもらったところ、回答はほぼ拮抗し、この問題について経済学者に共通認識がないことが浮かび上がった。
 新京報が伝えた。

 ▽.通年の物価上昇予測、「上昇を続ける」

 同報告書によると、経済学者の多くは、中国の経済情勢は今後3カ月ほどで底を抜け出し、上昇傾向に転じるとの見方を示した。
 経済成長率については、主立った経済学者が今年の国内総生産(GDP)成長率を7.6%と予測した。

 調査によると、回答した経済学者のうち、2014年の成長率が7.5%前後になるとした人は40%、7-7.2%とした人が25%、7.8-8%とした人が18%、7%以下とした人が13%、8%を超えるとした人が4%だった。
 地域の統計分析に基づいて計算すると、来年の経済成長率は7.4%になる。

 高い関心が寄せられる物価の問題について、経済学者の55%が価格水準は上昇を続けるとの見方を示し、44%が物価水準は現在の水準を基本的に維持すると答え、物価水準が低下を続けるとした人は1%だけだった。
 6月の第一期調査の結果と比較すると、物価上昇を予測する人が増えた。

 6月の調査結果では、物価水準が上昇を続けるとした人は53%、物価水準は現在の水準を基本的に維持するとした人は40%、物価水準が低下を続けるとした人は7%だった。

▽.経済学者の3割以上、「貧富の差は拡大する」

 今後10年間の貧富の差について、経済学者の間で見方は大きく分かれている。
①.36%が今後10年で貧富の差は一層悪化すると答え、
②.28%が貧富の差は改善され、オリーブ型の中産階層を形成すると答え、
③.19%が貧富の差は現在の情況を保つと答えた。
④.このほか約2割(17%)が「わからない」と答えた。
 4つの回答が均衡しており、この問題について、学者の間で見方が大きく分かれていることがわかる。

 同研究所の李鋼(リー・ガン)研究員の説明によると、同研究所が発行する英文の経済学専門誌「チャイナエコノミスト」には、国内で最も権威のある経済学者のデータバンクが備わっている。
 今回の調査では同データバンクから無作為に経済学者1700人を抽出し、専門家たちのプラットフォームを通じてアンケート調査を行った。2週間で有効回答171を集め、このうち約27%は科学研究機関からの回答、残りのほとんどは大学からの回答だった。

 「新京報」が今回の調査の戦略的パートナーとなり、アンケートの作成にかかわった。
 アンケート調査を土台として、一般の人を対象に同じ質問をする調査を展開し、これまでに5000を超える有効回答が集まった。
 一般対象の調査によると、貧富の差、改革のメリット、今後の中国の「夢」といった問題について、一般の人々と経済学者の意見は分かれ、専門家と一般の人々とでは当面の中国社会の問題について異なる関心や考え方を抱いていることがわかった。

▽.話題の問題について、「環境の悪化が不動産価格より心配」

 今回の調査を主催した李研究員によると、調査では一般の人々が注目する問題も取り上げたという。

 「来年に最も起こってほしくないことは何ですか
との質問に対し、
①.経済学者は36%が大規模な経済活性化政策を望まないと回答、
②.19%が生態環境の悪化を懸念、
③.15%が不動産価格の高騰・暴落を心配、
④.12%が中国の政治地理的情況の不安定さが気にかかると答えた。
⑤.経済成長ペースの継続的な落ち込みに懸念を表明した人の割合は18%だった。

 李研究員によると、経済学者が不動産価格の高騰・暴落、政治地理的情況の不安定さ、経済の落ち込みなどより、生態環境を懸念していることが注目されるという。

 また李研究員によると、調査で得た地域の統計結果を踏まえると、西部地域の経済学者は経済の継続的な落ち込みへの懸念が比較的大きく、北東地域は不動産価格の高騰・暴落を懸念する経済学者の割合が最も多く、東部地域はどちらに対する懸念もそれほど深刻ではないという。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月7日 18時0分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78764&type=0

大都市は奮闘する「二代目プア」を受け入れられるのか?―中国メディア

 2013年11月5日、北京市・上海市・広州市では、住宅価格の高騰によって、行き場を失う若者が増え続けている。
 新華網が伝えた。

 高卒の李宗(リー・ゾン)さんは、安徽省界首市田営鎮魏竈村という農村出身だ。
 1999年、李さんは出稼ぎ農民として上海市に出て来た。
 機械修理工、技術工、現場労働者などさまざまな職を転々とし、十数年苦労を重ねた末、ようやく管理職になった。
 また、基本給と職能給を合わせ、月給は8000元(約12万9000円)を上回り、稼ぎの良い時には1万元(約16万1000円)に達するまでになった。
 しかし、職場近くの住宅価格も、1平米あたり2万元(約32万2000円)にまで上がった。
 「理想と現実がますますかけ離れるようになった気がする」
とつぶやく李さんは、マイホームを手に入れられないため、今年、故郷の農村に戻った。

 李さんは、涙にむせびながら
 「住まいが私の生活に及ぼす影響は、決して言葉では言い表せない。
 故郷に戻らざるを得ない悲しみは相当なものだ。
 十年あまり上海市で仕事をした私が、農村でその経験を活かせる道はなかった。
 家族を養うため、化粧品店を開いたが、市場のことをよく知らなかったため、資金を注ぎ込んだだけに終わった」
と話した。
 そして、
 「いつも思うことだが、もし自分の努力で上海市に家を買えていたら、今頃は上海市で一家仲睦まじく、穏やかで楽しい毎日を過ごしていただろう」
と続けた。

 都市化という大きな流れのなか、李さんのケースは、農民工のひとつのケースに過ぎない。
 彼らは、一生で最も光り輝く青春時代を大都市に捧げ、都市建設のために汗と情熱を注いだ。
 長年の努力によって、彼らは都市と工場の生活に馴染み、胸の内には大きな望みも沸き出した。
 しかし、大都市に彼らの住処はない。
 住宅価格が高すぎるという圧力の下、彼らは、
 「踏ん張るべきか、それとも逃げ出すべきか?
の選択に迫られる。

 同じような困難に直面するのは、広大な農民工たちだけではない。 
 一流都市の高学歴の人々も同様だ。
 黄(ホアン)さんは北京市の某大学で教員をしており、北京市で教職に就いていることは、故郷の村民全員にとって大きな誇りだ。
 農村出身であるため、マイホーム資金は黄さん夫婦が稼ぐしかない。
 教員の給料だけでは、北京市では家を買う頭金にもならない。
 夫婦には今年、赤ちゃんが誕生したが、一家はいまだに大学の教職員寮に住んでいる。
 実家の親が北京市に出てきて孫の面倒を見てくれていることから、マイホーム購入は、一家にとって頭の痛い切実な問題になっている。

 大学卒業後、「広州市をさまようホワイトカラー」になった白(バイ)さんは、今もなお、広州市に対する「帰属意識」が持てないという。
 というのも、住まいはルームメイトと共同で借りており、退職した両親が彼女に会いに広州に来るたびに、ホテルもしくは彼女が住む貸間に狭苦しく泊ってもらうしかないからだ。
 また、懐かしい「おふくろの味」の料理を食べる機会も減っている。
 このような現状を思うたびに、白さんは大きな後ろめたさを感じていた。
 「1人娘として、実家から遠く離れた広州市に住んで4年余り。故郷の小さな町に戻る決心はつかず、そうかといって、広州市に根を下ろす能力もまだまだ足りないと感じている。
 家を買うことも夢のような話だ」
と白さんは悩み続けた。

 「卒業後、すぐにマイホームを買えるなどとは思っていない。
 でも、住宅価格が予想を越えたスピードで高騰しているため、お金をためてマイホームを手に入れることは、私には無理ではないかと思わざるを得ない」
と話す白さんは、あれこれ考えた末、広州市での仕事を辞めて、故郷の江蘇省に戻ることに決めた。

 これらは、特別なケースではない。
 同世代の若者全てに共通した問題だ。
 北京市、上海市、広州市などの特大都市には、このような若者が無数に住んでいる。
 彼らは理想を描き、努力してここに根を下ろそうと頑張った。
 だが、高まる都市生活に対する理想が、高すぎる住宅価格という壁にぶち当たった時、彼は躊躇する。
 頑張り続けるのか?それとも逃げ出すのか?
 これは今の中国で、若者世代が直面している極めて顕著な状況であり、初代若者世代の切実な問題だ。
 この問題はしかし、初代だけではなく、第2世代、さらには第3世代の生活にも、大きな影響を及ぼすであろう。
 住宅問題は、中国の社会生態をひっそりと変えつつあることは、もはや否定できない。

 住宅価格の高騰が原因で、一部の人々の「夢を追う」歩みに「待った」がかかった時、我々の心には、
 「ある都市が、努力を重ねる人間を受入れられない場合、
 その都市が革新・発展を続けるためのエネルギーは、いったいどこから生まれるのだろうか?
という疑問が思わず湧いてくる。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月7日 18時9分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78687&type=0

中国の高齢者、2025年に3億人突破
=急がれる高齢化対策―中国メディア

 2013年11月4日、全国高齢者事業委員会の副委員長を務める中国民政部の李立国(リー・リーグオ)部長は、今月2日に開催された「2013年中国高齢者事業発展トップフォーラム」において、「中国は、高齢者人口が世界で最も多い国家であり、
 高齢者人口は今年2億人を突破し、
 2025年に3億人、
 2034年には4億人
をそれぞれ上回る見通しだ。
 この状況は、中国の高齢化対策事業に厳しい課題を突きつけている」と述べた。新華社が伝えた。

 中国国務院発展研究センターの李偉(リー・ウェイ)センター長はフォーラムにおいて、
 「中国の高齢化は加速の一途を辿っている。
 中国が直面している高齢化情勢は、先進諸国よりもさらに厳しく、問題はより複雑であり、より多くの困難を伴っている」
と指摘した。

 李偉センター長は、
 「未富先老(富かになる前に老いる)が、中国が直面している最難関の問題といえよう。
 先進国が高齢化社会に突入した時点での国民一人当たりGNPは、大体5000ドルから1万ドル(約49万円から98万円)もしくはそれ以上だった。
 中国が高齢化社会に入った2001年、GNPはようやく1000ドル(約9万8000円)を超えたばかりで、2012年にやっと6000ドル(約48万8000円)を上回った。
 高齢化に対応するための経済的基盤があまりにも軟弱だ」と語った。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)



JB Press 2013.11.08(金)  Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39125

中国共産党の重要会議に漂う亡霊:人口動態
(2013年11月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 政治局常務委員会の指導者たち(平均年齢65歳)が中国共産党の最重要行事の1つに向けて備えるなか、1つの問題がはっきり目につくところに隠れている。
 中国が急速に高齢化しているということだ。

 60歳で元気な習近平国家主席が全体会議を迎えるのは、最高指導者の座に就いてからまだ3回目だ。 
 今回の会議は、習主席が中国の長期計画を打ち出す場になると見られている。
 だが、国全体は急速に人間の人生の第6段階に近づいている。

■豊かになる前に老いる中国

 シェークスピアのバージョンでは、人生の5番目の段階は、鶏をたらふく詰め込んだ「太鼓腹」の丸々とした人間だ。
 残念ながら、中国は、大半の国民が豊かになる前に「痩せっぽっちでスリッパを履き、耄碌(もうろく)した」老年期に差し掛かっている。
 この国の平均的な生活水準は、エクアドルとジャマイカの生活水準の間のどこかに位置する。

 中国が高齢化する速さを誇張するのは難しい。
 平均寿命は1949年の35歳から現在の75歳へと2倍以上に伸びた。
 奇跡的な偉業である。
 一方、出生率は1.5以下に落ち込み、人口を安定的に保つのに必要な2.1を大きく下回っている。
 中国社会科学院の人口統計学者の蔡昉教授は、
 中国は歴史上最も速いペースで労働余剰から労働不足へと転じたことになると指摘する。

 中国の労働人口はどんな予想より何年も早い2011年に初めて減少した。
 日本は1990年前後に同じような転換点に達した。
 中国にとっては不吉なことに、これは日本経済が20年に及ぶ停滞期に入る直前のことだった。
 その頃までに日本の生活水準は既に米国のレベルの90%近くに達していた。


●中国は急ピッチで高齢化が進んでいる〔AFPBB News〕

 購買力平価ベースでは、中国の1人当たり所得はまだ米国の20%に満たない。
 蔡教授は
 「今や疑問の余地はない。中国は豊かになる前に老いる」
と言う。

 ティモシー・ビアードソン氏は著書『Stumbling Giant: the Threats to China's Future(躓く巨人:中国の未来に対する脅威)』で、豊かで強力になる中国の夢を妨げる唯一最大の障害として人口動態を挙げ、人口の時限爆弾が最も大きな音を立ててカチカチと鳴っている4つの分野を特定している。

■4つの分野でカチカチ鳴る時限爆弾

①.1つ目は人口の伸びだ。
 中国は35年間にわたり単に労働者を生産性の低い農業の仕事から生産性の高い工場の仕事へ移すだけで国内総生産(GDP)を生み出すことができた時期の終わりに到達しようとしている。

 中国の奇跡の歌には、3語のリフレインがある。「Just add people(とにかく人を増やせ)」がそれだ。
 今、中国は成長がイノベーションから生まれるモデルへと転換しなければならない。

②.2番目は高齢化だ。
 65歳以上の中国人の数は2030年までに現在の3倍の3億人に達する。
 現在、介護施設に入っている人は、高齢者の1.5%にすぎない。
 だが、低い出生率のために、一人っ子が両親と祖父母の面倒を見るのが難しくなる。
 中国は近く、何千万人の高齢者のための介護施設が必要となるかもしれない。
 社会サービスがお粗末な国にとっては、これは容易なことではない。

③.3番目は男女数の不均衡だ。
 男児を好む傾向のせいで、今では女の子5人に対して男の子が約6人生まれている。
 この状況は、今後20年間で数千万人の男性が妻を見つける見込みがないことを意味している。
 概して比較的貧しく、将来展望もないことから、彼らは社会不安と犯罪の源になる可能性が十分にある。

④.そして4番目は人口の絶対数だ。
 中国人の人口は2020年以降、14億人を下回る水準でピークを越える見込みだ。
 現在、米国人1人につき中国人が4人いる。ビアードソン氏によれば、今世紀末までに、その比率が1.9人から1.25人の間に低下する可能性があるという。

 もしビアードソン氏が少しでも正しければ、これは中国経済の相対的な比重、ひいては中国の戦力投射能力にとって、とてつもなく大きな意味を持つ。

■経済モデルの転換には政府の役割の縮小が必要だが・・・

 つまり、次の10年に向けて政策を打ち出す責務を負う第3回全体会議では、人口動態が重くのしかかることになる。
 最重要テーマが1つあるとすれば、
 中国に必要な経済モデルの転換が達成されるためには、国は経済における役割を小さくする必要がある、
ということだ。

 中国が生産性を高めようとするのであれば、イノベーションが必要だが、
 巨大な国有企業がそれを提供することはないだろう。
  だが、国営企業は小さくなるどころか、経済成長を維持するよう設計された莫大な政府資金注入の受け手として一段と大きくなった。

 「とにかく人を増やせ」という言葉は「とにかく資本を増やせ」に道を譲った。
 だが、資本は間違ったところに流れ込んでいる。
  国有企業はGDPの3分の1を担っているが、恐らくは融資の9割を吸い上げている。
 国有銀行は、将来のイノベーションの原動力になりそうな中小企業に融資することはめったにない。

 銀行の習慣を変えるためには、政府は金利と貸出に対する支配権を手放す必要があるが、権威主義的な体制にとっては容易なことではない。

 国はまた、社会的な分野でも小さくならねばならない。
 創造性に富んだ社会と厳格な検閲は相容れない。

 地方から都市部への移住を制限する「戸口(戸籍)」登録制度も労働力不足を悪化させる。
 だが、同制度を廃止することは、社会統制の1つの手段を失うことを意味し、
 ピカピカの新しい都市を田舎の従兄弟たちと共有する意思を見せない都市部の中間層を遠ざけてしまう恐れがある。

 高齢化の影響は誇張されることもある。
 有利とされるインドの人口動態は、それ独自の大問題を生む。
 インド政府は間もなく、ろくな教育を受けず、儲かる仕事を持たない怒れる若者の莫大な人口に直面するかもしれない。

■一党独裁国家が著しい構造変化を成し遂げられるか?

 同じように、表向きのGDP成長率は、ことが国力に及ぶ時を除き、大した意味を持たない。
 日常的には、重要なのは生活水準であり、1人当たりGDPだ。

 だが、個人所得の増加を維持することは、中国の産業、金融、社会の構造の著しい変化を意味する。
 イノベーションは命令で手に入るものではない。
 果たして、そのような転換を一党支配国家が成し遂げられるのか
――さらに言えば、そうした変化が一党支配国家と両立し得るのかどうか――が、
 今後数十年間で最も重要な問題になる。

By David Pilling
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