2013年11月3日日曜日

中国:スモッグは経済の発展段階である、天然ガスの不足が大気汚染を加速

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●29日、中国政府が進めている石炭による暖房を廃止する計画が長期的な天然ガス不足で危うくなっている。写真は13年1月の山東省徳州市。


レコードチャイナ 配信日時:2013年11月3日 9時48分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78589&type=0

天然ガスの長期的不足、中国の大気汚染を加速
=石炭依存が続く―海外メディア

 2013年10月29日、ロイターによると、中国政府が進めている石炭による暖房を廃止する計画が長期的な天然ガス不足で危うくなっている。
 この冬は“窒息するほど”深刻な大気汚染が生じる可能性もあるという。
 31日付で環球時報が伝えた。

 中国では天然ガスを使用した暖房への移行は大気汚染からの脱却に不可欠と見なされているが、中国国内の天然ガス産出量では供給量がまったく足りていない。
 北京などの大都市で天然ガスを供給することは可能かもしれないが、北部全般の都市にまで供給を拡大するのは難しいと専門家は指摘している。

 中国政府はガス火力発電所の建設を禁じてまで天然ガスの供給を確保しようとしているが、多くの家庭がガス暖房に交換していることによりガス不足は昨年よりも10%増加してしまっている。
 2015年には天然ガス使用量は2010年の倍以上にあたる2300億立方メートルに達するとみられるが、中国のガス産出量や効率の悪いパイプラインと貯蔵能力に失望の声が高まっており、輸入に頼るほかない状況に陥りつつあるともに、問題は拡大し続けている。

 中国は天然ガスの使用を促進しているものの、石炭は依然として電力需要を満たす主要なエネルギーとなっている。
 中国石油天然ガス集団(CNPC)の責任者は、天然ガスに対応した設備を作るのは数年で可能だが、米国のように国全体で天然ガスを使うようになるには数十年はかかると指摘している。



ロイター 2013年 10月 30日 12:36 JST
http://jp.reuters.com/article/jp_BRICs/idJPTYE99T02S20131030

焦点:中国の大気汚染対策、天然ガス不足がネック 


●10月30日、深刻な大気汚染に見舞われている中国では、汚染対策の切り札として期待される天然ガスが慢性的に不足しており、汚染の元凶である石炭に依存せざるをえない。陝西省で2007年7月撮影(2013年 ロイター)

[北京 30日 ロイター] -
 深刻な大気汚染に見舞われている中国では、汚染対策の切り札として期待される天然ガスが慢性的に不足しており、汚染の元凶である石炭に依存せざるをえない。
 大気汚染はこの冬、一段と深刻化する恐れがある。

 大気汚染は特に北部で深刻で、北部住民の平均寿命は南部よりも5.5年短いとの調査結果も出ている。
 北東部のハルビンでは先週、大気汚染の水準が世界保健機関(WHO)基準のおよそ50倍に達した。

 天然資源防衛協議会の中国エネルギー政策ディレクター、アルビン・リン氏は「北京では今年冬も深刻な汚染が見込まれる」と述べた。

 中国政府は大気汚染対策として天然ガスに着目しており、北京の住民に対して、暖房の燃料として天然ガスのみを使うよう、通達を出した。
 しかし、天然ガスの国内での生産量は、需要に追い付いていない。

 再生可能エネルギーの専門家でコラムニストでもあるタオ・コワンユワン氏は
 「天然ガスをめぐる状況を考えると、北京のような大都市には供給できても、北部まで行き渡らせるのは難しい」
と述べた。

<政府は天然ガスの使用を調整>

 中国政府は天然ガスの供給調整に迫られ、天然ガス発電所の新規建設を禁止。
 先週には、冬季に住居や公共交通機関に優先的に供給するため、新たな天然ガス利用者の増加を抑制する方針を示している。

 それでも政府系メディアによると、天然ガスへの転換加速を受けて、天然ガス不足は今年、前年より10%深刻な状況になる見通し。

 中国は天然ガス利用を2015年までに2300億立方メートルに引き上げ、2010年の倍以上にするとの方針を掲げている。
 しかし国内での生産が伸び悩んでいる上、パイプラインや貯蔵能力が不十分ななか、輸入に頼らざるを得ず、不足しがちな状況になっている。

クリーン・エア・タスク・フォース(CATF)の東アジア担当責任者、ミン・ソン氏は
 「十分な天然ガスがないならば、国民の多くはこっそりと、石炭に戻ってしまうだろう」
との見方を示している。

(Adam Rose記者、David Stanway記者;翻訳 吉川彩;編集 吉瀬邦彦)



「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年11月3日
http://japanese.china.org.cn/life/2013-11/03/content_30482004.htm

 長期的な天然ガス不足が中国の大気汚染深刻化を招く


●資料写真・深刻な中国の大気汚染

 中国は天然ガスをよりクリーンな空気を手に入れるための手段であると考えているが、中国国内の天然ガスの生産量では需要を満たす事はできない。
 専門家は
 「北京などの大都市への供給を確保することはできるかもしれないが、天然ガスの需要が高い北方の都市を満足させるのは依然として、極めて困難な事である」
と指摘する。

 供給不足の問題により、中国政府は天然ガスの供給調整に迫られ、天然ガス発電所の新規建設を禁止した。
 政府は先週、冬季に住居や公共交通機関に優先的に供給するため、新たな天然ガス利用者の増加を抑制する方針を示した。
 現在、天然ガスに転換する利用者が増えていることを受け、天然ガス不足は昨年に比べ、10%深刻になる見通しとなっている。

 中国は2015年に天然ガスの使用量を2010年の2倍以上である2300億立方メートルに引き上げる方針を示している。
 しかし、国内の生産量の伸びと効率はパイプライン設備と貯蔵能力を下回っており、中国はますます輸入に依存するようになり、天然ガス不足の窮地に陥っている。

 中国政府はインフレを抑制するため、価格を抑える措置を採っているため、天然ガスの輸入業者は赤字リスクにも直面している。
 米・環境保護団体のクリーンエア・タスクフォース(Clean Air Task Force)の東南アジア地域担当者である孫氏は
 「もし十分な天然ガスを確保できなければ、人々は再び裏で隠れて石炭を使うだろう」
と指摘する。

 中国は今、天然ガスの使用を迫られているものの、石炭が電力需要を満たすための主力であるという事実は変わらない。
 中国石油天然気集団公司(CNPC)の責任者は上半期、
 「新しい天然ガス供給施設を完成させるためには少なくとも4,5年はかかる。
 しかし、それでも需要には追いつかない。
 中国全体をアメリカのように、全部天然ガスへと転換するためには、数十年は必要である」
との見方を示している。

 需要の急速な高まりにともない、中国政府は北京を天然ガス供給の最優先地域に据えた。
 また、北京・上海・広州などの都市は汚染対策計画に従い、周辺地区からより多くのエネルギーを得ることができる見込みである。
 例を挙げると、北京は2017年、なおも広く石炭が使用されている山西省と内モンゴルなどの周辺地域から70%の電力供給を受ける見通しである。

(文・英ロイター社)



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月4日 7時0分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78645&type=0

中国の気象予報士、「スモッグの原因は人間」とキッパリ―中国

 2013年11月3日、中国気象局によると、今年中国各地でスモッグが観測された日数は、前年比2倍に増加し、平均4.7日となった。
 これは1961年以来最も多い観測日だった。
 ラジオ・中国の声「ニュースと新聞ダイジェスト」が伝えた。

 大気汚染の増加は、数字だけでなく身をもって感じる。
 この原因はなんだろうか?
 中国中央気象台首席予報士・何立富(ホー・リーフ―)氏は「スモッグの根源は人間」とキッパリ。
 何氏はつづけて
 「温度や天気自体は例年に比べそれほど異常ではありません。
 原因は高エネルギー消費・排出・汚染を伴う重工業です。さらに全国で盛んに行われている土地開発も要因です。
 つまり、スモッグは経済の発展段階の問題です」
と述べた。






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