●1日、中国軍が制作したドキュメンタリー映画「較量無声」(声なき戦い)がネットに流出。その陰謀論的内容が話題となっている。写真は中国海軍。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年11月2日 1時33分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78584&type=0
中国転覆を狙う米国の策略に注意せよ!
中国軍制作のドキュメンタリー映画は陰謀論全開
2013年11月1日、中国軍が制作したドキュメンタリー映画「較量無声」(声なき戦い)がネットに流出。
その陰謀論的内容が話題となっている。
「較量無声」は中国国防大学、総政治部保衛部、総参謀部三部、中国社会科学院、中国現代関係研究所が合同で制作したもの。
全92分で今年6月に完成した。
10月になってネットに流出。
その陰謀論全開の内容が話題となっている。
なお中国の動画配信サイトでは流出動画はすでに削除されている。
2013年10月29日付RFA中国語版によると、米国は中国の政権転覆を謀り、5つの陰謀をめぐらせているという内容だ。
(1).政治的浸透:さまざまな計略で中国の政治路線に働きかける。
(2).文化的浸透:民衆、とりわけ若者世代の思想を変えようとしている。
(3).思想的浸透:世論戦を通じて民衆の思想的基盤を瓦解させようとしている。
(4).組織的浸透:米国の代弁者を育成し時限爆弾を中国に埋め込む。
(5).政治的干渉と社会浸透:反政権勢力を育成し中国の基盤を転覆させようとする。
このうち「米国の代弁者」として北京大学の賀衛方教授、経済学者・茅于軾氏らが名指しされている。
賀教授は2009年に
①.共産党を2派に分けて多党制を実現せよ、
②.人民解放軍を共産党の軍ではなく国軍とせよ
と主張した。
映画では
「一部の腐敗分子、政治変節分子は公然と国家利益を損なっている」
「公で反党、反社会主義、売国の言論を発表している」
と批判された。
中国では今年4月、9号文件、すなわち
「現在のイデオロギー領域の状況に関する通報」
と題された秘密文書が政府部局、地方政府に通達された。憲政や普遍的価値、市民社会の喧伝は中国共産党と中国の社会主義の動揺を狙ったものだと批判している。
9号文件の後、
「大学で普遍的価値、報道の自由、市民の権利、中国共産党の歴史的過ち、司法の独立などについて話してはならない」
と大学に通達されたことが明らかになるなど、政府部局・地方政府が呼応する動きを見せたほか、政府の学習会も各地で開催された。時期的、内容的に見て、「較量無声」もそうした動きの一環であり、兵士向けの学習用映画だったのではないか。
●高口康太(たかぐち・こうた)
翻訳家、ライター。豊富な中国経験を活かし、海外の視点ではなく中国の論理を理解した上でその問題点を浮き上がらせることに定評がある。独自の切り口で中国と新興国を読むニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。
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ニューズウイーク 2013年11月5日(火)16時33分
http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2013/11/post-3093.php
誇大妄想? 中国の反米映像
China's Military Produces a Bizarre, Anti-American Conspiracy Film
アメリカが中国の転覆を狙っていると訴えるプロパガンダ映像が物語ること
●悪の手先? 香港のアメリカ総領事館も「邪悪な意図を持つ組織」に位置付けられた Bobby Yip-Reuters
アメリカでは選挙シーズンになると、中国の脅威を声高に叫ぶ政治家が出てきて、逆に「中国叩き」を批判されることも少なくない。
中国はアメリカのパートナーであり、不信感よりも信頼を築く必要があると。
実にまっとうな意見だが、不信感を煽る点ではお互いさま。
中国でもいわゆる「アメリカ叩き」は珍しくない。
最近の例の一つは、先ごろネットに流出したプロパガンダ映像だ。
この90分近い映像は、中国政府をあらゆる面から追い詰め転覆させるために、アメリカが共産党やNGO団体、一般社会にまで入り込もうとしていると訴えている。
映像の出所は中国の国防大学で、製作を手掛けたのは国防大学政治委員の劉亜洲(リュウ・ヤーチョウ)。
冒頭は米議会とホワイトハウスの映像から始まリ、ソ連崩壊後の中国や他の共産主義国とアメリカの関係をたどりながら、その背後にある「邪悪な思惑」を描き出す。
「中国を混乱に陥れる最善の策は深い関わりを築くことだと、アメリカのエリートたちは考えている」
と、中国のある軍関係者は語る。
■共産党の重要会議に向けた戦略
フルブライト交流プログラムやフォード財団、人権擁護団体カーター・センターも、そんな邪悪な意図を隠し持つ組織と名指しされた。
ノーベル賞平和賞を受賞した作家で人権活動家の劉暁波(リウ・シアオポー)や北京大学法学部の賀衛方(ホー・ウエイファン)教授も、アメリカの手先のように描かれている。
香港で毎年6月に行われる天安門事件の犠牲者追悼集会「六四集会」など、大規模な集会や活動の背後にも英米総領事館の姿が見え隠れする、としている。
最も懸念されるのは、米中間の軍事交流は「中国を混乱」させ「政治家を洗脳」するのが目的だとしている点だ。
米国防総省は長年、中国との信頼関係を深め、危機的状況が勃発した際に事態を鎮静化するためのコミュニケーションのパイプを作るために、中国の軍関係者との交流を求めてきた。
数カ月前には、中国の軍関係者10人がハワイやワシントンを訪れ、10月には国防総省の関係者が北京を訪れたばかりだ。
今回の映像流出は冷戦的な思考が根強く残っていることを示すものだが、一方で中国国内の事情も関係しているかもしれない。
11月9日から始まる共産党の重要な会議「三中全会」では、経済や税制の改革案が出される予定で、それに向けて影響力を強めたい勢力の思惑も働いていると、一部のアナリストはみる。
「この映像は改革派に『安易に改革に動くとソ連の二の舞になるぞ』と警告しようとしている」
と、ある専門家はアメリカに拠点を置く中国語メディアに語った。
ベンジャミン・カールソン
From GlobalPost.com特約
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