2013年11月1日金曜日

自衛隊の中国海軍演習領域への侵入の意図:少なくとも3つの目的

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●TBS ニュース 31日21:02


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年11月1日
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2013-11/01/content_30469638.htm

 国防部が日本に警告 「好戦的であれば必ず亡ぶ」

 10月31日に開かれた中国国防部の定例記者会見において、中国国防部新聞事務局副局長の楊宇軍報道官は、
 「中国海軍の艦艇・軍機は航行・訓練期間、高度警戒の状態を保っており、日本側の妨害に対応する必要な措置を講じており、日本側に中国の正常な軍事活動を妨害するすべての行為を停止するよう求めた」
と述べ、
 「日本は地域安全情勢に負の要素を追加している。中国は戦争を恐れたことはない」
と強調した。

 楊報道官によると、日本の艦艇は中国海軍の演習エリアに2日余り停泊した。
 記者からは、
★.「この2日余りの時間に渡り日本が国際的な慣例に違反し、中国海軍はどのような対策を講じたのか」、
★.「中国側は日本に対して、実質的な行動によりこの過ちを正すよう求めたというが、その実質的な行動とは何を指すのか」、
★.「国防部の報道官が本件について厳しい言葉で回答するのは今週で2回目で、かつ平和を脅かしているのは日本だと指摘した。
 これは日本が演出するこのムードの中、情勢が緊張化に向かっているということか」
という質問が出された。

 楊報道官は、
 「中国海軍の艦艇・軍機は航行・訓練期間、高度警戒の状態を保っており、日本の艦艇・軍機の近距離偵察・妨害などの活動に対応する必要な措置を講じている。
 中国は日本に厳正な申し入れを行い、その行為を真剣に反省し、実質的な行動により過ちを正すよう求めた。
 これはつまり、日本が中国側の正常な軍事活動を妨害する一切の行為を停止することだ」
と回答した。

 楊報道官は、
 「現在の地域安全情勢に対して負の要素を追加している張本人は日本だ。
 このほど日本は他国の軍事力の脅威を喧伝し、自国の軍拡の口実を作り、歴史に対する深い反省を拒んでいる。
 中国には『好戦必亡(好戦的であれば必ず亡ぶ)』という古いことわざがあある。
 中国は日本が歴史を正視し、実質的な行動により、平和発展の道を歩むことを願う」
と表明した。

 楊報道官は、
 「周知の通り、中国は一貫して平和発展の道を歩み、防衛中心の国防政策を履行し、他国を侵略したこともなければ地域の緊張情勢を形成しようとしたこともない。
 しかし中国には、『忘戦必危(戦を忘れれば必ず危うし)』というもう一つの古いことわざがある。
 中国は自ら戦争を仕掛けたことはないが、戦争を恐れたこともない。
 いかなる国も中国軍の国家主権、安全、領土保全を守る決意・意志・能力・勇気を過小評価してはならない」
と強調した。



TBS ニュース 31日21:02
http://news.tbs.co.jp/20131031/newseye/tbs_newseye2043586.html

中国国防省、「自衛隊が演習を妨害」と抗議

 中国国防省は31日の記者会見で、
 「西太平洋での海軍演習を日本の自衛隊に妨害された」
として、日本側に抗議したことを明らかにしました。

 「(自衛隊は)わが艦隊と航空機の航行を脅かした。
 判断を誤り、誤射に発展する可能性もある極めて危険な挑発行為だ」(中国国防省 楊宇軍報道官)

 中国国防省の楊宇軍報道官は31日の記者会見で、日本の自衛隊が西太平洋での中国海軍の演習を妨害したとして、日本側に抗議したことを明らかにしました。
 楊報道官によりますと、25日午前、自衛隊の偵察機が偵察、監視活動を続けるなどの妨害を続けた、としていますが、詳しい事実関係は明らかになっていません。

 日中関係筋によりますと、中国側の抗議は31日午前、北京の日本大使館の駐在武官に対して口頭で行われ、日本側はこれに対し反論したということです。


 自衛隊が中国海軍演習領域へ意図的に侵入したということは何らかの目的があってのことだろう。
 それは何か?
 素人見で考えるに、少なくつも3つの目的を数えることができる。

①.守勢から攻勢へ転じたことの通達
 日本はこれまで中国の恫喝に対して守勢一方であった。
 しかし、ここにきて守備態勢の段取りもついた。
 よってこれまでのように、ただ中国の脅しに一方的に押しまくられるのではなく、
 守勢から転じて攻勢に出ることになる、
というメッセージを中国に伝えた、ということであろう。
 その宣言は10月27日の朝霞訓練場での訓示にある。
 「防衛力はその存在だけで抑止力となるといった従来の発想は、この際完全に捨て去ってもらわねばなりません。
 諸君の先頭に立って、現実を直視した安全保障政策のたて直しを進めて参ります」

②.相手が手を出すまで続けるという挑発メッセージ
 この侵入によって中国側が手を出してくれれば日本はポイントを稼げる。
 「中国が先に手を出した」という名分である。
 これによって、様相はがらりと変わる。
 日本は防衛のため、領空侵犯した無人機をサッサと撃ち落とせることになる。
 中国が手を出してくるまで日本は挑発を続けるぞ、という警告となる。 

③.日本は中国海軍を脅威とは感じておらず、先日の中国原潜の公開を無意味なものにすること
 中国は先日、自国の海軍力を誇示する目的で原潜の写真を公開した。
 それは世界に中国の威を宣伝するためのものであり、日本への脅しでもある。
 これに対しての反論がこの演習海域への侵入である。
 これで、原潜写真公開は恫喝的価値を失って、逆に日本はまるで中国を怖れていないという宣伝をしたことになる。

 素人見でもこのくらいは観察できるのだから、日本政府は他にいくつかの目的をこの侵入に見出しているのだろう。
 攻勢に転じた日本は、正直中国にとってはやりにくい相手であろう。
 昨今は1年ほど前の空威張りにも見えた威勢のいいラッパはなりを潜め、今では
 「日本に強く抗議する」
一辺倒になっている。
 しかし、日本を脅かすためにやっている演習において
 その演習領域に侵入されたのでは横っ面を張られたと同じになる。
 メンツを重んじる中国なら次の打つ手を考えねばならないだろうが、おそらくないだろう。
 これが「陸」なら、手はあるだろう。
 「海」では勝手が悪い。
 巡視船の鬼ごっこは海軍ではなく武装警察下である。 
 鬼ごっこを増やしても海軍のメンツはたたない。
 では、なんでくるかである。
 当然、中国の反発も読んでいての行動だろうから、自衛隊あたりはどこに中国が仕掛けてくるかのシュミレーションはできているのであろう。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年11月1日
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2013-11/01/content_30468816.htm

 自衛隊が中国海軍の演習エリアに侵入 中国国防部は厳しく非難

 中国国防部の楊宇軍報道官は10月31日、
 「海上自衛隊107艦は中国側の度重なる呼びかけを無視し、10月25日10時41分に中国海軍が西太平洋の公海で区画した演習エリアに強行侵入し、長期間停留し、28日7時32分になり同海域を離れた。
  同時に日本の偵察機は中国の演習エリアに何度も入り、偵察を実施した。
 また中国の軍事演習に参加する兵力の正常な航行中、自衛隊の艦艇・軍機は、追跡・偵察・監視を強めた」
と述べ、10月の定例記者会見の幕を開いた。

 楊報道官は、
 「中国は10月23日の時点で国際海事機関に対して、中国海軍が10月24日から11月1日にかけて西太平洋の公海の関連海域で軍事訓練・実弾射撃を実施するため、同海域を通過する各国の艦艇・軍機は回避するようにと通告していた。
 中国の艦艇・軍機の航行の安全を脅かし、さらには誤判断・過失傷害などの突発的な事件を引き起こしかねない、日本の艦艇・軍機による危険な挑発行為に対して、中国国防部はすでに日本側に厳正な申し入れを行った。
 これとは対照的に、日本側の漁船が中国の演習エリアで遭難信号を出した際に、中国側は日本からの救援要請に対して、人道的な立場から便宜を提供した。
 しかしこの状況下、日本の艦艇・軍機が中国の演習エリアに侵入したことは、国際的な慣例に著しく違反しているほか、国際関係の道義・準則にも悖っている。
 中国海軍の艦艇・軍機は航行・訓練期間、高度警戒の状態を保っており、日本の艦艇・軍機の近距離偵察・妨害などの活動に対応する必要な措置を講じている。
 中国は日本に対して、中国の正常な軍事活動を妨害するすべての行為を停止し、類似する事件の再発を防ぐよう求める。
 さもなければ、それにより生じるすべての結果は、日本側が負担することになる。
 中国はさらなる措置を講じる権利を保留する」
と語った。



サーチナニュース  2013/11/02(土) 09:29
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=1102&f=national_1102_003.shtml

なぜ撃たなかった…海自が軍事演習を妨害と主張=中国版ツイッター

  中国海軍は10月24日から11月1日にかけて西太平洋公海で軍事演習を行った。
 中国側は海上自衛隊の護衛艦や偵察機が演習区域に入って演習を妨害したと主張し、中国のネット上で日本への反発の声が高まる一方、
 批判の矛先は“妨害されながらも、何も行動しなかった”中国政府にも向けられた。

  香港の文匯網によれば、中国は国際海事機関を通して、中国海軍が10月24日から11月1日にかけて西太平洋公海で軍事演習と実弾射撃を行うことを公表し、往来する各国の艦船に避けるよう注意を呼びかけたという。

  中国側は同演習について
 「海上自衛隊107護衛艦が10月25日朝10時41分ごろ、中国の演習エリアに“乱入”して長時間とどまり、28日朝にようやく離れた」
と主張した。

  文匯網が中国の簡易投稿サイト・微博で中国側の主張を伝えたところ、微博ユーザーからは、
 「乱入してきたなら、なぜ撃たなかった?
など、中国側は海自の護衛艦に攻撃すべきだったとの意見が多く寄せられた。

  一方で、“日本に乱入された”と主張していながらも、中国側が何ら対策を取らなかったことに対する批判も多く、
★.「弱腰め」、
★.「清政府ですら強硬」
などと主張するユーザーも見られた。

  中国政府は在日中国大使館を通して日本に抗議したが、日本政府は
 「日本周辺海域の警戒監視を行っており、危険な行為はなかった
と回答したほか、防衛省幹部も「妨害の事実はない」と否定した。



(2013年11月6日11時21分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131106-OYT1T00416.htm
海自の対中警戒監視、妨害に当たらず…米司令官

 【ワシントン=今井隆】
 米太平洋軍のサミュエル・ロックリア司令官は5日、ワシントン市内で記者会見し、中国海軍が西太平洋で実施した軍事演習を「海上自衛隊が妨害した」と中国側が主張していることについて、
 「各国の軍の行動は他国の軍に監視されるものだ。
 特異な行動とは言えず、(海自の)挑発的行為と判断すべきではない」
と述べた。

 海自の動きは妨害に当たらないとの考えを示したものだ。

 中国国防省は10月31日、海自の護衛艦や偵察機が演習を妨害したとして日本側に抗議し、日本側は
 「必要な警戒監視活動」
と反論していた。


レコードチャイナ 配信日時:2013年11月7日 12時21分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78807&type=0

自衛隊による中国海軍演習区域侵入、中国側が反撃しなかった理由とは―中国メディア


●5日、中国新聞週刊網は、中国海軍の軍事演習区域に自衛隊が侵入した際に中国側が攻撃しなかった理由として軍事専門家の見解を掲載した。写真は中国海軍。

 2013年11月5日、中国新聞週刊網によると、中国海軍が10月24日から11月1日まで西太平洋で行った軍事演習区域に海上自衛隊の護衛艦と偵察機が侵入、3日にわたり高度な追跡、偵察、監視を行った。
 中国当局は、中国海軍が演習科目と行程の変更を余儀なくされ、演習計画に重大な妨害を受けたとして、数回にわたり日本側に警告を発し、同区域からの撤退を求めた。
 同時に外交ルートを通じて日本側に厳正な申し入れを行ったが、期待した成果は得られなかった。

 中国の軍事専門家によると、外国の軍艦や軍機が領海に侵入すれば、軍事演習の有無にかかわらず侵略行為となり、合法的に反撃を行うことができる。
 一方、公海はいずれの国にも属さず各国が使用可能だ。
 同氏は
 「中国海軍は公海上で演習を行っていたのであるから、他国が強行に侵入したとしても法律上は問題なく、反撃はできない」
と指摘する。

 同氏はまた
 「公海上での軍事演習に他国の軍艦や航空機が侵入すれば妨害行為または挑発行為とみなすことができる」
とした上で、
 「どのように処理するかは当事国間の判断による」
と指摘。
 「国際法では公海はいずれの国による支配下にもなく、すべての国の使用のために開放されている。
 公海上での軍事演習に外国の軍艦が侵入したため攻撃した例はかつてない」
と説明した。


レコードチャイナ 配信日時:2013年11月8日 20時34分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78897&type=0

海上自衛隊の対中監視行動、米太平洋軍司令官が日本を支持―英メディア


●6日、英BBCは米太平洋軍のロックリア司令官が海上自衛隊による対中監視行動を支持する立場を表明したと報じた。写真は中国海軍。

 2013年11月6日、英BBCが日本の複数の有力メディアの報道として伝えたところによると、米太平洋軍のロックリア司令官は5日の記者会見で、自衛隊が中国海軍の演習を監視したことを支持する立場を表明。
 「ある国の軍の活動を他国が監視することはよくあることだ。
 自衛隊による行動も例外ではなく、挑発的な行動と見なされるべきではない」
と語った。
 参考消息網が7日付で伝えた。

 中国当局は10月31日、自衛隊の護衛艦と航空機が西太平洋で行われていた中国の軍事演習区域に侵入したと抗議。
 日本側は国際的な慣例に沿ったものだと反論していた。
 ロックリア司令官の発言は、米国が初めて公式に日本の立場を支持すると表明したものだ。

 報道によると、中国海軍は10月24日から11月1日までの間、北海、東海、南海の3艦隊すべてが参加して実弾射撃演習を実施。
 日本の防衛省は、軍事演習が尖閣諸島問題で日本側をけん制する意図によるものと分析した。

 中国国防部の楊宇軍(ヤン・ユージュン)報道官は、自衛隊の護衛艦が10月25日から28日までの間、中国軍の演習区域に停泊し、偵察機が複数回にわたって上空から監視を行ったと発言した。

 中国国防部は31日午前、北京の日本大使館の防衛駐在官を呼びつけ激しく抗議。
 小野寺五典防衛相は翌日、
 「自衛隊による監視行動は国際慣例に沿ったもので、中国側の抗議はまったく理解できない」
とした上で、
 「お互いが疑心暗鬼にならないよう、海上連絡メカニズムを構築することが重要だ」
と述べた。

 報道では、米国側は数日間の沈黙を経て、ロックリア司令官が初めて日中間の紛争に対する米国側の立場を表明したとしている。


レコードチャイナ 配信日時:2013年11月11日 7時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78923&type=0

次に日本艦艇が進入してきたら武力で撃退、中国少将が強硬発言―中国メディア


●8日、人民網は記事「少将の警告:日本艦艇がもし再び演習海域に進入してきたら撤退は困難」を掲載した。次に日本艦艇が演習海域に進入してきたら武力で撃退するべきだとコメントしている。写真は中国海軍東シナ海艦隊。

 2013年11月8日、人民網は記事
 「少将の警告:日本艦艇がもし再び演習海域に進入してきたら撤退は困難」
を掲載した。

 軍事評論家、中国政策科学研究会国家安全政策委員会副事務局長の彭光謙(パン・グワンチエン)退役少将は、人民網強国フォーラムのインタビューを受けた。
 中国人民解放軍海軍の演習海域に自衛隊艦艇が進入したことについて、「故意の挑発行為だ」と厳しく批判した。

 地域の安定という大局から見てまず礼をもって遇して後に武力で対抗するべきだとコメントした。
 最初の侵入は警告で済ませたが、
 「二度目はない、撤退はできない」
と発言し、武力で撃退するべきだと話している。

 また日本の小野寺五典防衛相が中国の抗議は理解できないと発言したことに対し、国際的な慣習に中国は則っているとして、日本の無知をさらけだしたと批判した。


 もし、中国が先に攻撃を仕掛けてくれたら、日本にとってしてやったりということになる。
 それでキャステイング・ボートを握れる。
 おそらく、日本側はそれを狙っているのだろう。
 先に中国から手を出させたい、ということである。
 最初の一発をどちらが打つか、である。
 打たせておいて、サッと引き上げる。
 まずはここからだろう。
 これで日本は圧倒的に有利になる。
 ちなみに、これ退役しているという将校が自分の立場を利用して言っていることで、実戦の解放軍海軍はそんな安易なことはやらないだろう。
 やればどうなるかは分かっているはずである。





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