2013年11月1日金曜日

天安門突入事件(3):解放軍の出番を設定、誰がこのシナリオを書いたのか

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 この事件、何か納得いかない。
 思考の琴線にふれないのだ。
 「素人っぽいテロ」ということなのだろう。
 テロという政治がかったものではなく、家族事件に近いように思える。
 それを意図的に政治テロに結びつけようとしうているような雰囲気がある。
 なにかウラを感じてしまう。


ウォールストリートジャーナル     2013年 10月 31日 20:05 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303343404579169233363257844.html?mod=WSJJP_hpp_LEFTTopStoriesFirst
  By     JEREMY PAGE、BRIAN SPEGELE

天安門広場の「テロ攻撃」、容疑者のウイグル族の出身地が判明


●天安門広場近くで群衆に突入し、炎上する車(28日)

 【北京】28日に北京の天安門広場付近で車両が突入・炎上した事件について、
 当局は「テロ攻撃」だと断定した。
 突入した車に乗っていて死亡した3人と当局が拘束した5人はウイグル族とみられ、その素性の一部が明らかになった。
 この事件では一般人も2人が死亡、40人が負傷した。

 8人のうち、死亡した男性1人以外は、警察当局が事件後にホテルに配布した文書に記載されていた。
 7人とも自宅の住所は新疆ウイグル自治区だが、その地域はバラバラで、この2年間でウイグル族と当局の衝突があった地域も含まれていた。

 中国有数のテロ問題専門家で政府顧問のリー・ウェイ氏は、
 ウイグル族の同じ家族のメンバーが分離独立派の暴力行為に参加するのはよくあること
だと指摘。
 また、今回の事件は出身地が異なる人々が協力して、新疆ウイグル自治区外での比較的綿密な攻撃を計画した珍しいケースと思われると語った。
 同氏は中国現代国際関係研究院の安全保障・軍備管理部門のトップも務めている。


●天安門広場近くでバスをチェックする警察官(30日)

 今回の事件で突入した車に乗っていて死亡した家族3人は、パキスタンとの国境に近い新疆ウイグル自治区南西部の出身。
 拘束された5人は別々の4カ所の出身で、うち3カ所はそれぞれ1000キロメートル以上、離れている。

 リー氏は、家族3人は政治問題についてほかの人々から圧力を受けていたと推測。
 「誰かが家族の個人的な問題につけ込み、
 テロ攻撃を実行するよう仕向けた可能性が最も高い
と述べた。

 国営の新華社通信によると、拘束された容疑者の1人の名前はYusup Umarniyaz。
 警察当局がホテルに配布した文書によれば、Umarniyaは新疆ウイグル自治区のルクチュン出身。
 ここはウイグル族が大半を占める人口約3万人の町で、当時の国営メディアの報道によると、6月に暴動が起き、10人の警官を含む27人が死亡した。
 国営メディアはこれをテロ攻撃と断定したが、米国のウイグル人権プロジェクトは宗教弾圧が一因としている。

 ルクチュンでは30日、自警団が車の検問を行い、警察車両がれんがや粘土で造られた平屋建ての家屋が並ぶ通りを巡回した。
 検問所の警官は
 「ここ数日、やや難しい状況にある。今は安全ではない」
とし、検問所が設置されたのは今週初めと明らかしたが、その理由については口を閉ざした。

 警察当局の文書によると、Umarniyaは伝統的なウイグル族の中庭のある家が並ぶルクチュンのSangeqiao村に住んでいた。
 Umarniyaを知っていると言う同郷者は、彼は新疆ウイグル自治区の区都ウルムチに引っ越したと話した。

 ルクチュンとその周辺の人々は、自分たちのことを敬虔(けいけん)なイスラム教徒だとしている。
 道路や建物の標識はほとんどが漢字ではなくウイグル語で書かれている。

 別の地元住民は、Sangeqiao村近くの住民の一部が6月の暴動に加わったのではないかとみていると語った。
 当時の新華社の報道によると、この暴動では集団がルクチュンの警察署を襲撃し、警察車両に火をつけた。

 近くの町のShanshanでは、30日に取材した人々の大半が、地元住民が天安門広場の事件に関与していたことを知らなかったと話した。
 うち数人はこうした暴力行為には反対しているとし、暴動に参加したいと考えているのはウイグル族のごく一部だと述べた。

 新華社の報道によると、北京の警察当局は、衝突事件の容疑者5人の捜索で新疆ウイグル自治区などの当局の支援を受けた。
 容疑者が拘束された仮住まいでは「ジハード(聖戦)」を呼び掛ける横断幕や長いナイフなどが見つかった。

 拘束された容疑者らは、衝突事件で死亡した男性を知っており、「攻撃の計画・実行を共謀したこと」を認めたという。


 「誰かが家族の個人的な問題につけ込み、
 テロ攻撃を実行するよう仕向けた可能性が最も高い
とすると、誰がこのシナリオを書いたのかということになる。
 おそらく真実は闇の闇に葬り去られてしまうだろう。
 ただ、それが起こした波紋にそって現実は動いていくということになる。


サーチナニュース 2013/11/01(金) 09:21
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=1101&f=politics_1101_001.shtml

テロは反人類・反文明行為…“必要あらば解放軍も投入する”=中国

  中国外交部の華春榮報道官は10月31日、北京市の天安門広場で発生した車両突入・炎上事件に対し、
 「テロリズムは反人類、反社会、反文明的行為であり、良識ある人びとの非難を受けるだろう」
と非難した。中国政協網が報じた。

  華春榮報道官は
 「一部では民族問題や宗教問題とテロリズムを結びつけ、わが国の民俗宗教政策を批判しようとする動きがあるが、テロリズムと特定の民族および宗教を結びつけることには反対する」
と述べ、宗教や民族の違いを問わず、テロはテロにすぎないとの見方を示した。

  さらに華春榮報道官は、
 「東トルキスタン解放組織は、東トルキスタン国の建国を目的とし、わが国を分裂させようと活動している組織だ」
と主張し、
 「東トルキスタン解放組織は国際的なテロ組織と共謀し、わが国でテロ活動を実施し、わが国の発展や安定の破壊を目論んでいる」
と非難した。

  また、中国国防部は同日、
 「テロリズムは国際社会の“公敵”であり、世界各国では軍隊が反テロ任務を担っている」
とし、中国も必要とあらば中国人民解放軍を反テロ活動に投入すると述べた。


 尖閣では解放軍の出番はない。
 それが国内では、当局の弱腰非難につながる。
 「強硬に]抗議する」だけの中国、というイメージを作っている。
 相手が日本では、そうは簡単に解放軍は手出しはできない。
 政府としては、解放軍の出番を作らないといけなくなってしまった。
 そしてできるだけ、泥沼にはまりこんだ尖閣問題を棚上げにしてしまいたいという願望がある。
 そこに、今回の事件が起きた。
 「起きたのか」それとも「起こしたのか」。
 この辺のところは闇の中であるが、いずれにせよ、解放軍が動いているところをアピールしたいという腹だろう。


レコードチャイナ 配信日時:2013年11月1日 18時28分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78592&type=0

天安門の車突入事件、当局はウイグル族の監視を強化
=ウイグル族「穏やかな日常はなくなった」―北京市

 2013年11月1日、米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ中国語版によると、先日北京市天安門で起きた車両の突入事件で、当局は容疑者ウイグル族の5人を逮捕しテロ攻撃と断定したが、10月31日の天安門広場では依然警察の特殊部隊が警備を行っていた。
 北京在住のウイグル族の人は、警察が彼らに対し監視の目を強めていると明かしている。

 同事件について、北京の市民からはさまざまな意見が聞かれている。
 28歳の男性は
 「北京は大丈夫。ここで問題が起きたら中国に安全な場所はなくなる
と話し、同市の女性は
 「今回の事件は頻繁に起きるような事件ではないと思う。だから心配する必要はない」
と語るなど、楽観的な意見が多かった。

 一方、北京市住むウイグル族からは、
 「警察から厳しく調査されている。穏やかな日常はなくなった」や
 「警察に対しては不満しか出てこない。
 彼らはウイグル族が皆一緒だとみている。
 これには腹が立つ、なぜ理解してくれないんだ」
 「毎日取り調べられ、毎日身分証明証を提示しなければならない」
など切実な声が聞こえている。



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月6日 10時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78741&type=0

新疆で78人が指名手配、天安門車両突入時件に関連か
=新疆では幹部の交代も―香港紙

 2013年11月4日、香港紙・明報によると、新疆ウイグル自治区のトゥルファン地区の街頭にウイグル族を中心とした78人の指名手配ポスターが掲示され、10月末に発生した天安門車両突入事件に関連する措置とみられている。

 10月28日に発生した天安門車両突入事件を受けて、中国の公安・安全部門が新疆から北京に入る携帯電話や新疆戸籍保有者に対する管理を厳格化している。
 北京市政府は反テロ・爆破防止を治安維持システムに組み入れることを発表した。
 北京市の郭金龍(グゥオ・ジンロン)書記は、瞬間的流動人口の情報把握を強化すると述べている。

 事件の影響は新疆の地方政治にも影響を及ぼしている。
 新疆の共産党機関紙・新疆日報は11月3日付の記事で新疆軍区の劉雷(リウ・レイ)政治委員が新疆ウイグル自治区の党委員・常務委員に任命されたと伝えた。
 また、これと同時に新疆軍区の彭勇(ポン・ヨン)司令官が解任されたと報じている。

 天安門車両突入事件については、中国政府による「テロ」との定義に米国のケーブルテレビ等が疑義を唱えている。
 これについて、中国外交部の洪磊(ホン・レイ)報道官は11月4日の定例記者会見で、
 「無辜(むこ)の市民と観光客を狙ったテロ事件を民族・宗教問題に絡め、これを口実として中国の民族宗教政策を攻撃することはテロの容認にあたる」
と反論している。



ロイター 2013年 11月 4日 22:25 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTJE9A301720131104

中国外務省、天安門車両突入で外国メディア報道を非難

[北京 4日 ロイター] -
 中国外務省は4日、前週の天安門広場への車両突入炎上事件について、外国メディアが社会的、民族的動機が事件の背景と指摘したことを非難した。

 10月28日に天安門広場にいた人々に車両が突っ込み炎上した事件では、車内にいた3人を含む5人が死亡し、40人以上が負傷した。
 中国政府は、新疆ウイグル自治区のイスラム武装派による周到に準備された「テロリスト攻撃」と断定した。

 ところが、米ケーブルテレビCNNは前週、事件が
 「周到に準備されたテロリストの仕業なのか、
 それとも中国国家の壮大な発展の流れの末端にいる人々の絶望の嘆きが急速に結集したものなのか
と疑問を投げかける論説をウェブサイトに掲載した。

 外務省の報道官は記者会見で
 「罪のない市民や観光客に突入するという暴力的なテロリスト行為を中国の民族や信仰に関する政策と関連付け、中国の民族・信仰政策を中傷した人がいる。
 これはテロリストとの共謀である」
と述べた。

 外務省の会見に先立ち、中国中央テレビ(CCTV)と中国共産党の機関紙人民日報傘下のタブロイド紙「環球時報」がCNNの論説は事実を歪曲していると批判していた。

 CNNは声明で、記事はあくまで論説であるとし
 「cnn.comに掲載される論説は、執筆者の個人的見解であり、CNNの見解ではない」
と表明した。



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月5日 16時35分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78715&type=0

天安門車両突入事件報道で“暗戦”、中国国営メディアがCNNを一斉非難―米華字メディア

 2013年11月3日、米華字ニュースサイト・多維新聞は
 「天安門テロ事件報道で米中が“暗戦”、中国国営メディアがCNNを一斉非難」
と題する記事を掲載した。
 以下はその概要。

 中国政府によりテロ行為と断定された天安門車両突入事件について、
 米政府およびメディアは“悪意の報道”を流している
 米国のケーブルテレビ向けニュース専門放送局・CNNはサイト上でテロリストに同情的な記事を掲載した。
 米国務省の報道官も10月31日の記者会見で
 「テロ事件と決めつけることはできない。状況を注視しているところだ」
と述べ、中国政府や世論の激しい反発を買った。

 CNNは10月28日に起きた天安門車両突入事件についてサイトに
 「天安門車両衝突:テロリズムか、それとも絶望の叫びか」
と題する記事を掲載。
 中国政府によるウイグル族抑圧が事件の背景にあるという論調に対し、中国中央テレビや環球時報が強く非難した。

 中央テレビは
 「CNNはテロリストを“同情すべき被抑圧者”とみなし、事件の巻き添えとなった被害者には一切触れていない」
といったネットユーザーの声を紹介。
 「中国政府は新疆の豊富な資源を欲している」 
 「新疆ウイグル自治区で警察当局によるウイグル人の監視活動が行われ、恣意的な逮捕や宗教の自由への制限が行われている」
といったCNNの報道に中国のネットユーザーが強烈に反発していると報道した。

人民日報傘下の環球時報は11月4付の社説で
 「CNNの報道は行き過ぎだ。我々は米国メディアに自重するよう求める。
 CNNの報道は一部の米国人の陰険な心理を表している」
と強く非難した。


 つまり、「CNN外し」が始まった、ということのようである。
 これから、事あるごとにメデイアの統制が強化されていくということであろう。
 ということは、やはり「やらせ」の匂いもある、ということのようである。


レコードチャイナ 配信日時:2013年11月7日 17時16分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78814&type=0

欧米の報道は「ダブルスタンダード」、類似の事件でも北京は“政府悪”自国は“犯罪悪”
―中国国営テレビ

 2013年11月7日、中国の国営テレビ・中国中央電視台(CCTV)の電子版は、先月末に北京市天安門で起きた車両突入事件に関する海外メディアの報道が「ダブルスタンダード」だと非難した。

CCTVは、
 「先月28日、天安門で発生した車両突入事件に関して、国内外のメディアの多くはテロ行為に対し批判したが、一部のメディアは悪意を持って報道。米CNNはテロリストに同情するような内容を報じ、英BBCも客観性に欠けたニュースを伝えた」
と報道。

 CCTVは記事で、
 「北京の事件でテロリストを擁護したとも取れる報道をしたCNNが、同国のロサンゼルス国際空港で起きた、一般人を巻き込み6人の死傷者を出した事件に対しては、無辜(むこ)な一般人に焦点をあて、共に難関を乗り切ろうと呼びかけた」
と伝え、
 「類似の事件で態度が全く違うのはダブルスタンダードだ」
と指摘した。



「人民網日本語版」2013年11月8日
http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2013-11/08/content_30541605.htm

 テロの共犯者に成り下がったCNN

 北京・天安門前の金水橋付近で10月28日、ジープ1台が計画的に観光客と大衆に突っ込み、市民が死傷した 
 中国政府は迅速に情報を公表し、調査を行った。
 厳密に画策された、組織的、計画的な今回の暴力テロ襲撃事件に対して、「東トルキスタン」組織は責任を逃れられない。
 (文:華益声・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

 驚くべきことに、米同時多発テロ後、テロ攻撃に対して一貫して目を光らせ、強烈に反応してきた西側の一部メディアが、今回の事件では寝たふりをし、故意に事実をねじ曲げ、白黒を逆さまにしてさえいる。
 米CNNは事件の性質についての中国側の断定に疑問を呈し、中国の民族・宗教政策を非難し、事件に関係したテロリストに同情を示してさえいる。
 英BBCは中国政府系メディアが「車両突入」事件をテロ攻撃としていると報じる一方で、海外の新疆独立組織にインタビューし、事件をいわゆる「中国の民族・宗教問題」と結びつけようと企てている。
 西側の一部メディアは長年にわたり中国のイメージを貶め、中国が混乱することを望んでいる。
 これは一体どういう魂胆なのか?

 まず、西側の一部メディアは先入観にとらわれており、彼らの目には中国はイデオロギー、政治制度、自由、民主、人権などの面で西側の基準に合致しないと映るため、報道の中で反中・分離独立勢力に極力同情し、さらには事実を歪曲して中国政府を非難しさえする。
 どうやら中国政府に反対し、中国にパニックを引き起こすものでありさえすれば、同情に値するようだ。
 だが、テロが脅かすものは一国の政体ではなく、世界全体の平和と安全であり、市民に死傷者が出ることがその核心的特徴であり、確かな事実を前にしてもなお、全く議論の余地のないテロ行為をあくまでも民族問題と結びつけようとするとは、その悪辣な魂胆が推し量れるというものだ!

 次に、分離独立勢力、反中勢力はテロ暴力活動を画策する際、往々にして宣伝攻勢を整える。
 行動実施後、彼らはしばしば自ら外国の駐中国記者と連絡を取り、報道用に反中資料を提供する。
 筆者は以前、北京駐在の外国メディアへの突っ込んだ取材で、西蔵(チベット)で暴力事件が起きた2008年3月14日、ロンドンの「自由チベット」が各メディアの駐中国記者にニュースレターを配布したことを知った。
 ニュースレターを受け取るとすぐに組織の担当者にインタビューし、ダライ(ダライ・ラマ14世)一味の立場を反映する談話内容を報じる記者がいた。
 分離独立勢力、反中勢力は邪心を捨てておらず、テロ暴力活動を画策するのみならず、西側メディアと秘密裏に内通している。
 これがわれわれの注意を引かないわけにはいかない。

 最後に、一部西側政府の曖昧な態度も、メディアが中国の顔に泥を塗るのを後押ししている。
 10月28日から何日も経ち、フランスなどはテロ暴力事件を非難したが、米国などはまだ明確な立場を表明していない。
 だが実際には、「東トルキスタン」勢力はとっくに米政府と国連安保理によってテロ組織リストに入れられている。
 西側諸国が本来この問題における立場表明をはばかるべきでないのは明らかだ。
 この曖昧な態度は彼らの不公正な立場をはっきりと示すとともに、事実を歪曲する報道の後ろ盾ともなっている。

 中国は全ての西側メディアが中国の側に立つことを期待してはいない。
 だが人類共通の根本的是非の前では、いかなる政治的偏見も許されない。
 CNN、BBCらに、寝たふりをするその目を開くよう忠告する!
 「ダブルスタンダード」がその目を覆い、是非の区別がつかず、白黒を逆さまにするようにさせている。
 だが、どんなメディアであれ、暴力テロ活動の手先になって騒ぐのは、共犯者に等しく、世論によって犯罪勢力を盛り立てようと愚かにももくろめば、最後には「虎を飼って自らを傷つける」ことになる。
 テロリズムを前にして、自分だけ被害を受けずにすむ者はいない。



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月7日 6時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78785&type=0

中国でテロが活発化、大都市が標的に=「負の影響は計り知れない」―米華字メディア


●4日、米華字ニュースサイト・多維新聞は「中国でテロが活発化、大都市が標的に」と題する記事を掲載した。写真は天安門車両突入事件後、北京への入り口に設置された尋問所。
 
 2013年11月4日、米華字ニュースサイト・多維新聞は「中国でテロが活発化、大都市が標的に」と題する記事を掲載した。
 以下はその概要。

 北京市・天安門前の車両突入事件を受け、新疆ウイグル自治区のテロ問題専門家は、年明け以降テロ行為が「暴力的な恐怖」「民族分裂」「極端な宗教」の3勢力により頻発していると指摘した。
 テロリストは長期的に北京、上海などの大都市を標的にするとみられる。
 将来的に反テロ活動を強化する必要があり、さもなくば同様の事件が再び起きないとは限らない。

 明報が4日伝えたところによると、専門家は北京の突入事件について、国際社会が定めるテロ行為に該当すると指摘。
 今回のようなケースは過去に例がなく、負の影響は計り知れないとしている。
 政府の迅速な対応、政権指導部の厳しい対応は事件の影響を考慮したものだ。
 新疆では今年に入り、これまで安定していた地域でもテロが頻発。今後は北京などに矛先が向く恐れがある。


WEDGE Infinity 2013年11月07日(Thu) 
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3321

はなから「テロ」としか報じない中国メディア

 10月28日、ウイグル人3人が乗った1台の四輪駆動車が、北京の天安門金水橋付近で炎上し、外国人を含む5人が死亡、38人が負傷した(以下、10.28事件)。
 ツイッターなどで炎上の様子が流れた。

 中国の政治の中心である北京で、しかもその中心に位置する天安門の前での事件だけに、国内外に大きな衝撃を与えた。


●天安門前で車が突入・炎上したニュースは、世界を駆け巡った
(写真:Newscom/アフロ)

 事件の背景について、海外メディアはさまざまな憶測を流している。
 『人民日報』はこの事件を次のように伝えている。

■事件は「テロ」の一点張り

 (1)10月29日付:事件の被害状況を伝えた。
 (2)10月31日付:30日の北京市公安局の発表を次のように伝えた

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 警察は、10.28事件が綿密に画策された、組織的、計画的な暴力テロ襲撃事件であると初動捜査の段階で認定した。
 すでに事件の容疑者の状況が明らかになり、逃げていた容疑者5人全員が拘束された。

 現場の調査で北京の警察は、事件を起こした車両が新疆ナンバーの四輪駆動車で、車内でガソリンとガソリンが入った装置、刃物2本、鉄の棒1本、過激な宗教の内容の印刷された旗を発見した。

 取り調べで、5人の容疑者は実行者と知り合いで、暴力テロ活動を画策し、実行した状況を供述した。
 ウスマン・ハサンら(実行者)が北京で暴力テロ実行からわずか10時間余りで警察に拘束されるとは思いもよらなかったと述べた。
 これまでに警察は容疑者の暫定住居で「聖戦(ジハード)」と書かれた旗や長刀などを発見した。
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 (3)11月1日付:10月31日に孟建柱中央政治局委員兼中央政法委員会書記がウズベキスタンで開かれた上海協力機構地域テロ機構執行委員会で10.28事件について行った報告を次のように伝えた。

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 上海協力機構加盟国はさらに協力を強化し、断固テロに打撃を与えなければならない。

 現在国際テロ活動は活躍上昇期にあり、中国を含む多くの国がテロの脅威を受けている。
 北京での暴力テロ襲撃はこのような国際的な大背景の下で発生したものである。
 このテロ襲撃は、組織的であり、計画的であり、広範な民衆の生命、財産に重大な損失を与えた。

 テロは全人類共同の敵であり、中国政府は暴力テロ犯罪にさらに断固打撃を与え、上海協力機構の反テロ機構が反テロ安全協力をさらに強化し、上海協力機構が反テロ行動能力を高め、共同で域内外の安全脅威に対応し、地域の平和と安定を守ることを希望する。
>>>>>>>>>>>

 (4)11月4日付:外交部が米CNNなどのメディアが10.28事件に対する中国側の定性(綿密に画策された、組織的、計画的な暴力テロ襲撃事件であるとの認識=筆者注)について疑問を呈し、中国の民族宗教政策を批判し、関連するテロ分子に対し同情を示していることに対し批判したことを次のように伝えた。

<<<<<<<<<<<<<<
 一部の個人と勢力は、一部の過激なテロ分子による無辜の市民と観光客に対する暴力テロを民族宗教問題と結びつけ、さらにはこれを口実に中国の民族宗教政策を批判している。
 これはテロ分子に対する黙認であり、中国は強い不満を表明する。

 中国政府は法に基づき全国の各民族人民の宗教信仰の自由を含む各権利を保護している。
 中国はあらゆる形式のテロに一貫して断固反対し、法に基づき厳しく打撃を与える。
 いかなる者がいかなる名目であれテロ活動を実行し、支持することに反対する。
 反テロ問題で「ダブルスタンダード」を実行することに反対する。

 関連するテロ活動は反人類、反社会、反文明的な犯罪行為であり、いかなる良識ある人が厳しく非難するはずだ。
 関連するメディアは、この問題で是非を明らかにし、客観的で公正な態度で報道し、反対のことを言うべきではない。
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■事件の背景説明は一切なし

 『人民日報』が10.28事件について伝えた記事は多くない。
 しかも、11月6日付時点で論評はゼロである。

 (2)は、北京市公安局がこの事件を「テロ」と断定したことを伝える重要な記事である。これは党中央の意向であり、今後の展開を決定づけるものである。

 (3)は、党中央の公安部門のトップである孟建柱の上海協力機構の会議での発言で、党中央がいち早くこの事件を「テロ」と断定したことに対する国際的な理解、支持を求めたものといえる。

 (4)は、この事件を「テロ」と断定したことに対する海外メディアの反応を批判するものである。

 こうした最小限の報道は、この事件の背景について一切触れず、「テロ」であるとだけ断定することで、断固たる措置への障害を最小限にしたいという党中央の意向を反映してのことであろう。
 そのことは、海外メディアが伝えるような実行者の個人的な利害が原因であることや外交部が10月31日にこの事件と「東トルキスタン・イスラム運動」(ウイグル族の独立運動組織で、国連でテロ組織認定されている=筆者注)との関連に言及したことなどを『人民日報』が報じていないことにも表れている(後者については11月1日付『人民日報海外版』では報じられている)。
 具体的な背景が出てくると、共産党のこれまでの民族政策の失政への追及に問題が及ぶことは必至である。
 そのため、党中央はこの事件を絶対に「テロ」の一言で片付けなければならない。

■習近平自身が語る少数民族地域への支援の成果

 しかし、『人民日報』が、直接的ではないが、共産党のこれまでの民族政策を正当化する記事を掲載している点にも注目しなければならない。

 11月2日付には、「天津市が主力産業を発展させ、新疆を支援する」と題する天津市による新疆ウイグル自治区和田地区の東部3県の支援の成果を宣伝する記事が掲載されている。

 また11月6日付には、習近平が11月3~5日に湖南省を視察した記事が掲載されている。
 習はこの間に湘西土家族苗トゥチャ族ミャオ族自治州の農村を訪れ、少数民族と交流した。その様子を次のように伝えている。

 カゴを見ても、道いっぱいにも果物が並んでおり、習近平は村民に果物産業の発展がますますすばらしく、生活がますますすばらしいことを祝った。

 全面的小康社会(まずまずの生活水準の社会=筆者注)の構築完成の難点は、農村、特に貧困地域にある。
 湘西は国家貧困扶助開発重点地域であり、党委員会と政府はさらにこの点の工作を重視しなければならない。

 ミャオ族の貧困村民の施斉文のところを訪れ、穀倉、寝床、台所、ブタ小屋を見て、一家が自信を深め、党と政府の関心の下で勤労と智恵ですばらしい生活を作り上げるよう励ました。

 民族地域の発展を速める、その核心は民族地域の全面的小康社会の構築完成のスピードを速めることである。

 当局はこの事件を「テロ」で片付けたい一方で、少数民族が経済発展の後れや貧困に不満を持っていると考えている。
 この事件の背景にこうした不満があるのかもしれない。
 共産党はこの事件を「テロ」で片付けることに無理があることを分かっているのだろう。

 そのため、少数民族地域に対する発展地域による支援の成功を宣伝する記事、習自身が少数民族地域を視察し、貧困扶助政策の成果を評価し、今後さらに政策を執行するよう指示する記事を掲載することで、共産党はこれまでの民族政策の正当性をアピールしようとしている。

佐々木智弘 (日本貿易振興機構アジア経済研究所東アジア研究グループ長)
1994年慶應義塾大学大学院博士前期課程修了、同年アジア経済研究所入所。北京大学、復旦大学、中国社会科学院の客員研究員を経て、現在日本貿易振興機構アジア経済研究所東アジア研究グループ長。共著に『習近平政権の中国』(アジア経済研究所)、『現代中国政治外交の原点』(慶應義塾大学出版会)。






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