2013年9月30日月曜日

毛沢東化する中国:毛沢東語録出版、自己批判、総括はいつに?

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●28日、かつて「聖書」に次ぐ出版部数を誇った「毛主席語録」が再び中国で書店に並ぶ日が訪れようとしている。


レコードチャイナ 配信日時:2013年10月1日 6時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=77344&type=0

『毛沢東語録』が再出版、「毛沢東否定で明日はもっとよくなる」意見多いなか―中国

 2013年9月28日、英紙・ガーディアンによると、かつて「聖書」に次ぐ出版部数を誇った「毛主席語録」(毛沢東語録)が再び中国で書店に並ぶ日が訪れようとしている。
 毛沢東生誕120周年を記念した「新版・毛主席語録」が11月に出版される

 文化大革命の時代を生きた人々にとって、この赤いビニール表紙の「毛語録」は聖書同然だった。
 1964年に第1版が出版。30章構成で、366項目の語録を収録したが、翌年出版された第2版で427項目に内容が増やされた。

 新版の編集責任者である軍事科学院の陳宇(チェン・ユー)氏は、
 「語録を再出版することは論語を再出版するのと似たようなもので、特別な政治的意図があるわけではない」
と話している。

 しかし、ネット上では「語録を論語と一律に扱うべきではない」との見方が広がっている。
 中国の新指導者・習近平(シー・ジンピン)国家主席は精神の健全化を奨励する
●.「批判と自己批判」や、
●.「大衆路線」、
●.「党内整風」
など、たびたび毛沢東思想の典型的言葉を引用していることが指摘されている。

 香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストも「習主席が延安に倣った政治の健全化を図ろうとしている」と伝えている。
 香港城市大学の政治学者・鄭宇碩(ジョン・ユーシュオ)氏はガーディアン紙の取材に
 「これは習主席の指示によるものではないかもしれないが、習主席の後押しはあるだろう」
と指摘している。

 また、歴史学者の章立凡(ジャン・リーファン)氏は
 「習主席は毛沢東の政治を再現しようとしているのではなく、政治姿勢を示しているだけだ」
とするが、あるアンケート調査では80%の人が「毛沢東を否定することで、明日はもっと良くなる」と回答したという。



サーチナニュース 2013/09/30(月) 15:43
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0930&f=politics_0930_001.shtml

毛沢東時代思わせる「三項紀律」制定、違反者は厳重処罰=中国警察

  中国政府・公安部(中国警察)は29日、
 「共産党の大衆路線の実践活動において、警察関連の姿勢をさらに高めるため」
として、「三項紀律」を定めたことを明らかにした。
①.「大衆の危険を前にすれば勇気を出す」、
②.「酒に酔って事件を起こさない」、
③.「ナイトクラブなどに立ち入らない」
として。
中国人ならばだれもが連想する毛沢東が制定した「三大紀律八項注意」に似た名称を採用した。

  警察官が「三大紀律」に違反した場合にはまず一律に「禁足処分」、つまり「自宅謹慎」をさせる。重大な結果をもたらしたり、大きな悪影響が発生した場合には解雇処分にして、上司の責任も追及する。

  「紀律」違反を隠したり、虚偽の報告をした場合には犯罪として、刑事責任を追及する。

  中国警察は、
 「全国の警察官は真正に厳格に職務を執行すると同時に、社会の各界と人民大衆に監督されていることを自覚し、受け入れる」
と表明。
 「三項紀律の貫徹状況を常に検査しつづける」
と表明した。

  中国では2012年の習近平体制の発足以来、精神面を強調する政策が続いている。
 「三項紀律」との絡みで中国人ならばだれもが連想するだろう毛沢東の「三大紀律八項注意」も、共産党軍兵士に対する道徳面での要求だった。

  中国では文化大革命以降、精神面に過度に重きを置く政治手法は慎重に扱われていた。
 特に胡錦濤政権は、大衆運動に対して警戒的だったと言える。
 胡錦濤政権後期には、重慶市のトップだった薄熙来書記(当時)が精神性を強調する大衆運動を盛り立てたが、温家宝首相は露骨に嫌悪感を示したという。

  薄書記はその後、汚職や職権乱用の疑いで起訴され、無期懲役と政治権利の終身剥奪(はくだつ)の一審判決が言い渡された。

  習近平国家主席は、文化大革命以降、胡錦濤政権まで続いてきた「精神面の過度の強調は避ける」との傾向と、やや異なる路線に舵を切ったようにも見える。

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◆解説◆

  「三大紀律八項注意」とは毛沢東が制定した、中国共産軍の兵士に求めた精神面と行動の規範。
 1928年の「三大紀律六項注意」が発展した。
 多少の変動があったが、中国人民解放軍本部が1947年に最終確定した。

  内容は「あまりにも当たり前」のように思えるが、中国の軍隊は長い歴史を通じて「略奪行為」などが当たり前だった。
 共産軍は「民衆の利益にならないことはしない」との方針を打ち出し宣伝したことで、評価が高まった。

  「三大紀律八項注意」(最終確定版)の内容は、以下の通り。

  三大紀律…
「すべて、指揮にしたがって行動する」、
「民衆の物は針1本、糸1筋も取り上げない」、
「獲得したものはすべて、公のものとする」

  八項注意…
「話はおだやかに」、
「売買は公平に」、
「借りたものは返さねばならない」、
「壊したものは弁償せねばならない」、
「人を殴ったりののしったりしない」、
「家や田畑を荒らさない」、
「女性をからかわない」、
「捕虜を虐待しない」

  1935年には「三大紀律八項注意」の歌も作られた。
 「革命軍人よ、銘記せよ。三大紀律八項注意を」
との歌い出しで、「革命歌」のひとつとして定着した。


 おそらく、ある一線を超えたとき、中国では猛烈に政治の嵐が吹き荒れる可能性がある。
 それは、共産党が行き詰まったときだ。
 通常なら民族主義の高揚を使って、国内の鬱憤を「反日」などに向けたいところだが、それをやると当局がもたない。
 よって、国内での息抜きという嵐が必要になる。
 そのための準備が毛沢東化だろう。
 中国に明るい未来を抱くのは幻想になる。
 気を引き締めてかからないと、危うくなる。
 『アルジャーノンに花束を
という本がある。
 「アルジャーノン現象」が中国に起き始めているのかもしれない。


JB Press 2013.10.01(火)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3878

過去の過ちを反省しない中国共産党の行く末いまなお跋扈する毛沢東の亡霊

今、中国社会は歴史的な分水嶺に差しかかっていると言ってよい。

 急速な経済成長は、今まで社会の歪みを覆い隠してきた。
 しかし習近平政権になってから経済成長が減速し、幹部の腐敗など政治・社会の不健全性が一気に噴出している。
 共産党指導者は
 「党員と幹部は人民の公僕であり模範的な言動を取らなければならない」
と教条的な説教を繰り返すが、効果はない。

 毎日、贅沢三昧の共産党幹部の生活を民衆が見て平常心でいられるわけがない。
 胡錦濤政権では、「和諧社会」(調和の取れた社会)の構築をスローガンとして掲げた。
 だが、実体はその逆の方向へ突き進んだ。
 国民の大多数の生活レベルは改善されず、中国社会はますます調和が取れなくなっている。

 習近平政権になってから共産党への求心力を高めるために、国民に対して「中国の夢」を唱えるようになった。
 かつてアメリカのマーチン・ルーサー・キング牧師は支持者に向かって「私には夢がある」と演説した。習近平国家主席も同様に中国の夢を実現することを国民に訴えた。

 ただし、国家の夢と民衆の夢を混同してはならない。
 習近平国家主席によれば、国家としての夢は中華民族の復興である。
 だが、民衆の夢はもっと切実なものだ。
 つまり、憲法で保障されている権利が侵害されないことである。
 国家や民族の復興が実現しても、民衆一人ひとりの生活が改善されなければ、決して和諧社会は実現されない。

■部の腐敗は権力闘争をもたらす

 共産党幹部腐敗の基本的な構図は、権力を振りかざして巨額の金品を不正に手に入れることである。
 しかし、幹部の腐敗は金品の授受に止まらない。
 巨額の蓄財とともに、必ずさらなる権力を手に入れようとする。
 なぜならば、権力の最大化は利益の最大化を意味するからである。

 これこそ中国共産党にとっての最大のリスクである。
 かつて、30年前に共産党幹部の腐敗といえば、数千元ないし数万元程度だったが、近年、億元単位の腐敗事件が続発するようになった。
 共産党幹部の巨額の贈収賄や横領事件の報道を聞いて中国国民がいつも質問することは「どうしてこんなにたくさんのお金が必要なのだろうか」ということである。
 確かに、どんなに贅沢しても使い切れないほどの金品を授受するのは不思議である。
 共産党幹部の欲望には際限がないとしか言いようがない。

 毛沢東の時代、国有企業の労働者たちは工場長に何かを頼もうと思ったとき、当時貴重品だった果物の缶詰やクッキーなどを持参したものである。
 「改革開放」政策以降になると、こうした依頼が徐々に「市場化」した。
 例えば、子供の就職の斡旋ならば、相場に即した斡旋料を払わなければ助けてもらえない。
 中国経済の高成長に伴い、幹部に何かを依頼する場合の値段は高騰した。

 さる8月、共産党中央委員だった薄熙来氏に関する裁判が行われた。
 その嫌疑は2600万元(約4億円1600万円)の収賄・横領だった。
 家族の分まで含めれば、数億元の収賄に上ると見られる。
 1人当たりGDPが6200ドル(2012年)の中国で、数億元(数十億円)の収賄は明らかに限度を超えていると言わざるを得ない。

 共産党幹部の収賄などの腐敗行為は、単なる個人的な蓄財のためだけに行われるのではない。
 薄熙来氏の言動を見れば明らかなように、腐敗行為と最高権力への挑戦は表裏一体の関係にある。
 共産党幹部の腐敗は必ず権力闘争をもたらすことになる。

■再び文化大革命のような大惨事が?

 振り返れば20世紀前半、人類はそれまで経験したことのない経済危機に見舞われた。
 その後、資本主義に対する批判と社会主義・共産主義に対する信仰が一気に世界に広がった。
 西欧ではヒトラーのファシズムが誕生し、旧ソ連ではスターリン主義中国では毛沢東主義が吹き荒れた。
 これらの政治思想の共通点は、専制政治を構築し、権力を指導者への個人崇拝のために最大限に利用することである。

 専制政治の下で、独裁者によってたくさんの人民が殺された。
 中国のリベラル派の研究者、王康氏によれば、毛沢東時代に合計8000万人の犠牲者が出たと言われている。

 それは中国にとって決して「過去」の話ではない。
 ドイツ人はファシズムに対する反省をそれなりに行い、ロシア人もスターリン主義を完全に放棄した。
 しかし、中国では毛沢東の亡霊が依然として消えないでいる。

 薄熙来氏が重慶市共産党書記の時代に推し進めた「唱紅打黒」と呼ばれる「運動」の中心的な部分は、毛沢東時代の革命歌を歌い継ぐことだった。
 彼にとってこうしたキャンペーンは政治の最高権力に挑戦するツールだったが、多数の民衆がそれに加担し、赤い生地で作られた衣装を身にまとう様子はまさにカルト教団の様相を呈していた。
 その「教祖」は共産党中央委員会委員だった。

 いつの時代も、政治の最大の犠牲者は人民である。
 しかし、人民の学習能力は残念ながらまるでゼロに近い。
 ある中国人歴史研究者に会ったところ、驚くべきことを言われた。
 「重慶で起きたことを見れば、これからの中国でもう一度文化大革命のような大惨事が起きない保証はない」
と言うのだ。
 まさに悪夢としか言いようがない。

 そこで思い出すのは、中国外交部(外務省)スポークスマンが日本の政治家の靖国神社参拝を批判するときの「過去の歴史を直視し、歴史を忘れてはならない」という言葉である。
 まったく正しい指摘である。
 しかし、中国共産党こそがこれまでの64年間の歴史を反省しなければならない。

 共産党は毛沢東時代の歴史について反省しているというよりも、知識人の批判を言い逃れでかわしているだけだった。
 そして中国では、1989年6月4日に起きた天安門事件について、一体、何が起きたのかという議論すら公の場で許されていない。

 中国の法律では「政府転覆罪」という罪状がある。
 しかし、今の中国社会を見渡す限り、政府を転覆できる政治勢力は存在しない。
 仮に政府を転覆する政治勢力が存在するとすれば、それは共産党内部にしか存在しないはずである。
 その最も危険な分子は、腐敗幹部と、歴史を直視しない政治勢力であろう。

 中国には、「水能載舟、亦能覆舟」(水は舟を浮かべるが、転覆させることもできる)ということわざがある。
 共産党にとって民は水のようなものだ。
 民心を失えば、その舟は自ずと転覆してしまうに違いない。

柯 隆 Ka Ryu
富士通総研 経済研究所主席研究員。中国南京市生まれ。1986年南京金陵科技大学卒業。92年愛知大学法経学部卒業、94年名古屋大学大学院経済学研究科修士課程修了。長銀総合研究所を経て富士通総研経済研究所の主任研究員に。主な著書に『中国の不良債権問題』など。



サーチナニュース 2013/10/01(火) 21:06
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=1001&f=politics_1001_005.shtml

「新版・毛主席語録を出版」は全くのデマ…新華社報道

  新華社は1日午後、
 「関連部門に確認したところ、インターネットで言われている『新版・毛主席語録が年内にも出版される』との情報は、全くのデマと分かった
と報じた。
 以上で全文の極めて短い記事で、
 当局がこの問題で神経をとがらせている可能性がある。

  毛主席語録は中国政府・国防部長だった林彪が1964年に人民解放軍向けに編集を命じて刊行された。
 66年に文化大革命が始まると、一般向けにも出版するようになった。
 同時期に過激な“革命闘争”を展開した紅衛兵は「毛主席語録」を常に携帯し、読みあげたり暗唱することが「毛主席と革命への忠誠心」を示す証左となった。

  さらに、「毛主席語録の歌」に合わせて「忠の字踊り(忠字踊)」を踊る催しが全国的に広がり、踊ることが強制される場合すらあった。

  実権派打倒のために結成されたグループが対立し、互いに相手を「反革命だ」とののしりながら、銃器なども用いて武装闘争するなどの事態も発生し、中国社会は大混乱した。
 職場や学校で「反革命分子」の摘発が強要され、摘発しないと自分が「反革命分子」と見なされる恐れから、証拠を捏造(ねつぞう)しても、同僚や知人を「反革命分子」と告発する現象も発生。
 子が親を「反革命分子」と発表することもあり、
 中国人の対人モラルは失墜した。

  ただし1990年代の改革開放の本格化以降は、
 貧富の格差や幹部共産党員や官僚のモラル失墜に反発を感じ、
 「文革時代には少なくとも、現在のような拝金主義や腐敗現象はなかった
とする、往時を懐かしむ感情も出てきた。

  中国の習近平政権はこのところ「腐敗撲滅」に力を入れている。
 堕落した幹部の存在について「政権維持にも影響を及ぼしかねない」と危機感があることはたしかであり、庶民も腐敗撲滅への取り組みを「当然のこと」と受け止めているのはたしかだ。

  しかし、常軌を逸した文化大革命時代への回帰は、多くの人の反発と嫌悪感を引き起こさずにいられない。
 「新版・毛主席語録が年内にも出版される」との噂を新華社が説明部分なしに否定したことは、当局が同問題に対して神経をとがらせていることを暗示するものと考えられる。

  ただし、中国では当局が「実行してよいかどうか判断に迷う」ことがらについて、噂や一部専門家の意見として情報を流し、まずは民意の反応を確認する政治手法が取られる場合もある。
 そのため、「新版・毛主席語録」出版の動きが一部で発生していたかどうかの真相は不明と言わざるをえない。

  毛主席語録の発行部数については様々な見方があるが、
 「解放軍内での印刷・配布分や紅衛兵組織などが独自に出版したものを除く、一般向けの出版だけで50億冊以上」
との説がある。

  「新版・毛主席語録」の出版については、12月26日の故毛沢東主席の生誕120周年を記念すべく、軍関係の研究者が準備を進めているなどの説が出ていた。



レコードチャイナ 配信日時:2013年10月1日 23時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=77340&type=0

中国共産党、批判と自己批判で一党支配の延長狙う―英メディア


●27日、BBC中国語版サイトは記事「中国共産党、批判と自己批判で一党支配の延長狙う」を掲載した。習近平国家主席は河北省党幹部による批判、自己批判の会を傍聴した。資料写真。

 2013年9月27日、BBC中国語版サイトは記事
 「中国共産党、批判と自己批判で一党支配の延長狙う
を掲載した。

 習近平(シー・ジンピン)国家主席は中国共産党河北省委員会常務委員会の民主生活会を傍聴した。
 同会では省の党幹部による批判と自己批判が行われた。
 1953年、毛沢東は批判と自己批判、理論と現実の連携、群衆路線と並ぶ中国共産党の3つの優秀な手法と位置づけた。

 一党支配の中国では野党は存在しないが、ネットを中心に世論は中国共産党に厳しい視線を投げかけている。
 批判と自己批判という独自の手法を通じて世論の批判をかわそうという狙いがある。


 なにか、昔を思い出させる。
 『自己批判と総括』
 毛沢東語録に紅衛兵。
 壁新聞と自己批判。
 そしてと『総括』。
 自己批判は危険信号。
 「総括」が当たりまえに口に上るようになったら、狂い始めているとみていい。
 すなわちそれは危険な状況に入ったということになる。


レコードチャイナ 配信日時:2013年10月2日 8時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=77397&type=0

「新版・毛沢東語録」、12月にも出版か=専門家「政府の意図が存在する」―中国



●29日、南方都市報によると、「新版・毛沢東語録」が12月にも発売される可能性がある。1966年以降、一度も再版されたことがない同著がこの時期に再販されることに、専門家から「政府の意図」の存在を指摘する意見が出ている。資料写真

2013年9月29日、南方都市報によると、「新版・毛沢東語録」が12月にも発売される可能性がある。
 しかし、1960年代に出版された旧版の「毛沢東語録」とは表紙などがまったく異なるという。
 編集責任者は今回の再版について、「民間・学術レベルのもので、政治的な意図はない」とするが、
 出版にあたって政府の許可を待っている段階だという。

 編集責任者を務める中国人民解放軍軍事科学院の研究員・陳宇(チェン・ユー)氏によれば、新版は24万字版、12万字版、6万字版の3種類が出版される計画で、正式名称は未定。
 しかし「毛主席」ではなく「毛沢東」という呼称を用いることで客観性を示すとしている。

 また、旧版は毛沢東選集からの抜粋だったが、新版では1960年代以降に出版された58冊の毛沢東氏の著作から抜粋した内容になり、文化大革命にも言及するという。
 その他にも異なる点が多く、旧版は赤い表紙で、手に収まるほど小さかったが、新版は24万字版がA4サイズで、価格は2000元(約3万2000円)を超える。

 「毛沢東語録」は1966年以降、正式には一度も再版されたことがない。中国政治思想史や毛沢東思想研究の専門家である蕭延中(シアオ・イエンジョン)氏は、新版が解放軍の経歴を持つ学者の手で編集されることについて、
 「政府の意図が存在する可能性がある」
としている。

 華東師範大学の韓鋼(ハン・ガン)教授は
 「社会が複雑化し、価値観が衝突するこの現代に新版を出版するのは、単純な懐古主義などではなく、
 民衆の現実に対する不満が爆発することを恐れているのだ」
と指摘している。




【トラブルメーカーから友なき怪獣へ】



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