●10日、シンガポール華字紙・聯合早報は記事「2020年五輪はなぜ日本にとって重要なのか?」を掲載した。五輪こそ“失われた20年”から抜き出す転機であり、国家に対する日本人の信頼を取り戻す契機だという。資料写真。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年9月12日 7時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76635&type=0
2020年五輪はなぜ日本にとって重要なのか?―SP華字紙
2013年9月10日、シンガポール華字紙・聯合早報は記事
「2020年五輪はなぜ日本にとって重要なのか?」
を掲載した。
東京は2016年夏季五輪招致レースにも立候補したが、ブラジルのリオデジャネイロに敗北した。
今回、再度の立候補でついに開催権を獲得した。
五輪開催は、経済成長を促進し、民族の凝集力を高め、国際イメージを樹立し、国家の威信を確立する機能がある。
昨年末に政権についた安倍晋三首相にとって五輪開催権獲得はきわめて重要だった。
15年の長きにわたり経済低迷が続く日本。
2011年には地震、津波、原発事故にも見舞われ、日本人は未来への自信を失っている。
五輪こそ“失われた20年”から抜き出す転機であり、国家に対する日本人の信頼を取り戻す契機である。
また小泉純一郎首相以来、日本では短命政権が続いている中、安倍晋三首相は長期政権を狙っている。
参院選の勝利に続き五輪開催権を獲得したことは安倍首相の声望を高める助けとなるだろう。
もし安倍首相が日本を景気低迷から脱却させることができれば、2020年の五輪は日本経済再生をアピールする最高の舞台となるだろう。
だがもし日本が五輪を通じて民族のプライドを強固なものとしようとするならば、隣国の人々の感情に配慮すべきであり、歴史問題に対しても正しい態度を採るべきであろう。
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おそらく外国からみるとそう見えるのであろう。
しかし、内部からみるとそうは見えない。
政権が交代するのは交代しても充分機能するほどに民主主義が安定して機能しているからである。
失われた十数年でも日本はナンバーツーであり続けた。
中国の台頭によって相対的にナンバー3にはなったがその力は安定している。
そしてナンバー3を日本から奪う国はまだ現れていないし、おそらく今後とも現れないだろう。
そして戦後2/3世紀を経て、日本の精神力は力強く復活してきた。
「お詫びと反省」
という卑屈にもにた姿勢をとり続けてきた日本がやっと自信をもってきたのが昨今である。
この「2/3世紀」というのは日本人にとっての試練の時代であった。
でも、日本人はそれに耐えた。
では、なぜ
「2020年五輪はなぜ日本にとって重要なのか?」
という問になる。
2つの答えがある。
①.ひとつは国内的なこと。
あと7年という限定された期間、つまり目標のはっきりした動きは集団行動の好きな日本人にとっては、ひじょうに動きやすいことがある。
7年後の日本を求めて、日本人自身がどういう新たな動きをするかである。
わかり易い目的があるとき、日本人は倍以上の力を発揮できる。
2020年に日本人の精神力はどうなっているのか?
それから出力された結果は何を招来させるのか?
である。
②.もう一つは対外的なものである。
つまり、2020年東京オリンピックという名目が世界的に掲げられたいま、
中国は手を出しにくいという大義が生まれた
ということである。
いまの中国は日本とタイマンでやれるほどの力はない。
それ以前にそんなことをしたら中国国内が騒乱に巻き込まれる可能性がある。
「魚釣島反日デモ一周年記念全国大集会」すらも開けない状態にあるということである。
中国としては、国内を抑えこむ大義名分がなんとしても作らねばならない。
それが、この東京オリンピックの朗報である。
これは何とも説得力がある。
煽りに煽っていた国民をなだめるのに格好の題材になる。
世界のオリンピックに中国は反旗を翻すわけにはいかない
というわけである。
結果として2021年まで日中戦争はできない。
とすると、この7年間を、日本と中国は挑発行為の繰り返し、つまりフェイントの掛け合いで推移するとみていい。
つまり、中国の言う
「静かで長い戦い」
が繰り広げられることになる。
問題は、この7年の歳月で、日本はどうなり、中国はどうなるかだ。
2021年にこの二国が仕切り直ししたとき、それぞれの国はどうのように変わっているか。
それが、この
「7年間の静かにして長い戦い」
の意味になる。
いま中国はただの「アジアのトラブルメーカー」にすぎない。
さてこの7年で「アジアの怪獣」になれるのか、
それとも中進国のワナに堕ちて突然死してしまうのか。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年9月12日 8時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76673&type=0
東京五輪誘致成功「祝意示さぬ中国、度量が小さい?」―米メディア
●10日、米ラジオ放送ボイス・オブ・アメリカ(中国語電子版)は「東京五輪誘致実現を祝福しない中国、度量が小さい?」と題する記事を掲載した。写真は中国のニュースサイトより。
「東京五輪誘致実現を祝福しない中国、度量が小さい?」
と題する記事を掲載した。
以下はその概要。
福島第一原発の放射能汚染水漏れ問題にもかかわらず、東京が20年夏季五輪誘致に成功した。
尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権問題で日本と対立する中国が誘致成功にどう反応するか、
海外メディアは注目してきた。
中国外務省の洪磊(ホン・レイ)報道官は9日の会見で、
日本への祝意についての質問に2度にわたって回答を拒んだ。
同報道官は
「われわれは国際オリンピック委員会(IOC)の決定を注視している」
とだけ述べ、同問題については中国オリンピック委員会に尋ねるよう求めた。
ロイター通信によると、同報道官は次第に語気を弱め、中日両国ともIOCの重要な構成員であると述べた。
香港の時事評論家は
「祝意を示すかどうかは大きな政治問題ではないが、
報道官の回答拒否は度量が大きいとはいえず、考えさせられる」
と指摘。
「中国が祝意を示さないことで、両国関係が悪いことが歴然となる。
東京五輪開催は中国にマイナスの影響を与えるわけではないのだから、
理性的で度量の大きい対応をすべきだ」
と話している。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年9月14日 7時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76770&type=0
東京五輪は日本の「起爆剤」になるか―中国メディア
●13日、スペインメディアは五輪招致失敗の原因を分析する際、経済危機への言及を避けている。だが日本は、スペインには日本のような経済力や政治力が明らかにないため、日本が主導権を獲得し、スペインは落選したのだと自信を持って考えている。資料写真。
2013年9月13日、スペインメディアは五輪招致失敗の原因を分析する際、経済危機への言及を避けている。
だが日本は、スペインには日本のような経済力や政治力が明らかにないため、日本が主導権を獲得し、スペインは落選したのだと自信を持って考えている。
人民日報海外版が伝えた。
実際には、日本の勝利は様々な要因によるものだ。
そして五輪開催権争奪への日本の上から下までの熱狂ぶりは、昔日の力を取り戻すことへの切望に由来する。
■狂喜のなかの自信
日本の政界とメディアが五輪招致成功に狂喜しているのは、岸信介元首相の成功経験を連想しているからだ。
1964年の五輪は戦後日本に経済の急速なテイクオフをもたらし、1967年には英仏を、1968年には西ドイツを抜いて、世界第2の経済大国となった。
このため「東京オリンピック景気」が経済学の固有名詞にもなった。
現在、五輪効果に再び期待が集まっている。
安倍首相は「オリンピックは日本経済の起爆剤になる」と述べた。
日本の大和証券の予測は、東京五輪招致成功は2013年から2020年までに日本のGDPを3%押し上げるとしている。
東京都は、控え目な見積もりとして首都高や公共施設の改修、観光施設の拡大などで少なくとも2兆9600億円の経済効果があるとの見方を示した。
こうした考えのもと、雇用にはさらに多くの期待が寄せられている。
五輪によって15万人の雇用が創出されると見られている。
また、日本の7月のCPIは前年同月比0.7%上昇した。
これは2008年12月以来の水準で、日銀の設定したインフレ目標2%にどんどん近づいている。
五輪が円安によって物価水準を高めれば、アベノミクスは成功を収める。
■冷水も
だがこうした楽観的な予測は、五輪効果を過大評価しているのかもしれない。
1964年の五輪は想像するような「奇跡」をもたらさなかったとの指摘がある。
日本政府は当時30億ドル(約2994億円)近くの投資を行ったが、実際の観光客誘致数は予測の3分の1しかなく、多くのインフラが初期には十分に活用されず、資金回収が遅れ、五輪後に日本経済はいったん停滞すらした。
東京の既存のインフラはまだ継続して使用でき、再び五輪を開催しても、大量のインフラ事業はもたらされない。
したがって、牽引効果は想像するほど大きくはならない。
歴史事実はまた、五輪と経済には決して完全な正の相関はないことを告げている。
モントリオールとアテネは五輪開催が禍根を残した。
重大なスポーツ競技と政治は無関係というのは明らかに幼稚な考えだ。
ある専門家は、東京五輪によって日本はアジアでの孤立を和らげ、スポーツの「脱政治化」の助けを借りて隣国との緊張関係も緩和できると分析する。
金融緩和、財政出動の拡大、民間投資の喚起という「3本の矢」がすでに放たれ、現在「強心剤」を欠くなか、安倍首相の五輪招致への決意がこれほど大きい理由は容易に理解できるとの指摘もある。
五輪開催によって景気を刺激し、社会矛盾を緩和することができる。
五輪を理由に許容範囲ぎりぎりの政策も多く打ち出すことができる。
■将来のリスク
関係方面の推計では、2020年東京五輪の開催予算は34億ドルに達する。
日本に金はあるのか?
周知のように、日本の公的債務は世界最大だ。
2012年の債務残高の対GDP比は214.3%で、2004年から59ポイント上昇した。
日銀の量的緩和政策も加わり、公的債務の激増は必至だ。
五輪支出を通じて債務を削減するのは冒険的な賭けで、債務不履行またはハイパーインフレをもたらす恐れがあるとの分析もある。
安倍首相の虫の良い計算の致命的な誤り、つまり福島原発クライシスを直接指摘する分析もある。
日本政府は「全てはコントロール下にある」と口を開けば言っているが、実際には福島はより深刻な事態となるかもしれず、日本政府は嘘をついている可能性がある。
汚染が悪化した場合、日本の五輪開催に対して極めて大きな「殺傷力」を持つことになるだろう。
(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)
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サーチナニュース 2013/09/17(火) 09:39
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0917&f=national_0917_008.shtml
五輪では日本経済を救うことは難しい=中国メディア
中国メディア・中国網は16日、2020年の東京五輪実現が日本経済を救うことは難しいとする評論記事を掲載した。
評論記事は、復旦大学アジア経済研究センターの王健副主任が著したもの。
「実際は、東京五輪によって富の奇跡を生み出すことは難しく、つつがなく開催できれば御の字だ」
としたうえで、その背景について4つのポイントを挙げて説明した。
①.1つめのポイントとして、1984年のロス大会でビジネスとして成功した五輪が、96年のアトランタ大会までは利益を上げたものの、以降は巨額の赤字を出すスポーツイベントとなったことを挙げた。
②.2つめは、五輪の招致だけで総投資予定額の12%程度に当たる500-600億円を費やしており、開催までの7年間でさらにどれだけの資金を投入することになるのか不透明である点を指摘した。
③.3つ目は、経済危機が続き、不動産価格が低迷している日本において、五輪開催が日本経済に刺激を与え、再度振興させ、救済する役割を果たす可能性は大きくないこと、
④.4つ目には、北方領、竹島、尖閣諸島に対する、慎重な対応が必要になることを挙げた。
そして、20年の東京五輪決定は喜ばしいことながら、7年の準備期間の中でスポーツを盛り上げる組織能力のほかに、日本政府や日本国民の政治的知恵や外交レベルがより試されることになるとまとめた。
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【トラブルメーカーから友なき怪獣へ】