●23日、「ウクライナが中国最大の海外農場となる」と香港紙が報じた。ウクライナは将来的に、中国に穀物栽培や家畜飼養のための土地300万ヘクタールを提供すると見られる。資料写真。
『
レコードチャイナ 配信日時:2013年9月25日 7時55分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=77100&type=0
ウクライナが中国最大の海外農場になる!=300万haの農地提供へ―香港紙
2013年9月22日、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、「ウクライナが中国最大の海外農場となる」と報じた。
23日付で環球時報が伝えた。
ウクライナ独立通信社によると、農業や畜産業、食品生産などを扱うKSG Agro社が中国の新疆生産建設兵団に10万ヘクタールの農地を提供する契約が交わされた。
提供するのはドニプロペトロウシク州の農地で、中国とウクライナの共同経営となる。
最終的に提供される土地の面積は300万ヘクタールになると予測されている。
契約期間は50年で、穀物の栽培や養豚に使用される。
これにより、ウクライナは中国最大の海外農場となる。
今 回の提携での総投資額は、26億ドル(約2570億円)にのぼると見られている。
専門家は、中国からの投資がウクライナの技術向上に役立つとしている。
ここ数年で農業分野におけるウクライナと中国の協力関係は急速に強まっている。
2012年の両国の農業貿易額は3億6400万ドル(約360億円)だったが、2013年は上半期ですでに3億3300万ドル(約330億円)に達している。
ウクライナの専門家は、
「世界総人口の5分の1を抱える中国には耕地面積が世界全体の9%しかなく、
国内で日に日に増加する食糧需要に対応するには、海外での生産を拡大する必要がある」
と指摘している。
』
中国の大国としての欠点は2つ。
一つは食糧を自前できないこと。
もう一つはエネルギーを自前できないこと。
この
基本的生活資源を常に国外に頼らざるをえない
という致命的な弱点が大国としての中国を常に脅かしている。
ために中国の「大国」とはただ人間が多いだけの
「中途半端な大国」
というイメージになってしまう。
そこで、少なくとも食糧だけは安定的に確保したいという欲求にさらされる。
その解決策の一つこれ。
ウクライナから耕地を借り受ける、ということである。
だが、問題も多い。
もし契約終了後に中国農民に居座られたらどうなる。
中国ならいろいろ理屈をつけてそのくらいのことはやりかねない。
「トロイの木馬」になるかもしれない。
歴史的にウクライナに中国の飛び地が生まれ出る可能性は大きい。
そこで、少なくとも食糧だけは安定的に確保したいという欲求にさらされる。
その解決策の一つこれ。
ウクライナから耕地を借り受ける、ということである。
だが、問題も多い。
もし契約終了後に中国農民に居座られたらどうなる。
中国ならいろいろ理屈をつけてそのくらいのことはやりかねない。
「トロイの木馬」になるかもしれない。
歴史的にウクライナに中国の飛び地が生まれ出る可能性は大きい。
ところで「300万ヘクタール:300万ha」とはいかほどの広さなのだろうか。
「1ha=10,000m2」であり、「1km2=100ha」である。
九州の面積が[35,640km2」、つまり「3564000ha=356万ha」になる。
「1ha=10,000m2」であり、「1km2=100ha」である。
九州の面積が[35,640km2」、つまり「3564000ha=356万ha」になる。
とすると「300万ヘクタール」とはなんとほぼ九州に匹敵する広さになる。
ちなみに、韓国の面積は「100,000km2」で、九州のほぼ3倍に当たる。
つまり、韓国の1/3の広さの中国セクターがウクライナ内に生まれることになる。
また、
「中国の新疆生産建設兵団に10万ヘクタールの農地を提供する契約が交わされた」
とあるが、この「10万ha」とはどれほどになるか。
琵琶湖の面積は「670km2=6万7千ha」である。
つまり、最初の契約で、琵琶湖の1.5倍の農地が提供されたことになる。
ウクライナというところは全く土地が余っているところなのである。
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ちなみに、韓国の面積は「100,000km2」で、九州のほぼ3倍に当たる。
つまり、韓国の1/3の広さの中国セクターがウクライナ内に生まれることになる。
また、
「中国の新疆生産建設兵団に10万ヘクタールの農地を提供する契約が交わされた」
とあるが、この「10万ha」とはどれほどになるか。
琵琶湖の面積は「670km2=6万7千ha」である。
つまり、最初の契約で、琵琶湖の1.5倍の農地が提供されたことになる。
ウクライナというところは全く土地が余っているところなのである。
『
JB Press 2013.11.07(木) Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39117
ウクライナからの食糧供給に向けて種をまく中国
(2013年11月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ウクライナの首都キエフ。
とある建物の会議室のテーブルには、中国とウクライナの旗が並んで置かれている。
世界で最も人口が多い国と世界有数の肥沃な農地が実り多い盟友関係を新たに結んだしるしだ。
「今頃はきっと、中国の誰もが私の名前を耳にしていると思うよ」。
ウクライナの億万長者、オレグ・バフマチュック氏はこう語る。
同氏は、世界第8位の規模を誇る農業企業ウクランドファーミングと世界第2位の鶏卵生産会社アバンギャルドコの創業者で、ここ1年半の約半分をアジアで過ごしたと話している。
中国の国有穀物商社である中糧集団(COFCO)や飼料や食肉の生産を手がける中国の民間企業ニューホープ(新希望集団)といった大手農業企業、そしてシンガポールの政府系投資会社テマセクなどと輸出や投資の交渉を行ってきたという。
肥沃な黒土に覆われた広大な土地を擁するもののインフラが時代遅れになっているウクライナはこのところ、穀物や食肉の需要増加に応えたいと考える中国企業の関心を引きつけている。
■中国の関心がウクライナの経済と国際的影響力を押し上げる
ウクライナ政府は現在、欧州連合(EU)と自由貿易協定を締結する計画を巡ってロシアと地政学的な綱引きを演じている最中だが、アジアとの結びつきが強まっていることは、この国には別の戦略的な選択肢があることを示している。
中国の関心は、ウクライナの経済と国際的影響力の両方を押し上げる可能性がある。
中国の関心は、外国にある生産力の高い農地に投資する同国の戦略に合致したものだ。
中国社会科学院農村発展研究所の李国強・副主任によれば、中国政府は、世界市場で買い付ける農産物の輸入に依存すると世界の食糧価格が上昇して外交摩擦を引き起こしかねないとの懸念を抱いている。
中国のニーズを満たすためには世界全体の穀物供給の総量を増やすしかないと李氏は指摘し、「そうすれば世界の食糧安全保障になる」と語る。
中国がほかの国々で広大な土地を購入するとの報道はいくつも出ているが、計画が成功した例はこれまでのところほとんどない。
なぜか?
それは、すべての土地が国家所有となっている中国にとって、財産権という概念が馴染みのないものだからだ。
失敗に終わった中国との取引案件に詳しいある外交官はこう語る。
「彼らは、土地から何から全部我々に用意させたいと思っている。
民間人の所有者がいるということが分かっていない」
ここで登場するのがウクライナだ。
同国では、旧ソビエト連邦が崩壊した後、民間企業が農地を大量に買収した。
ウクランドファーミングは現在、約56万ヘクタールの農地で耕作を行っている。
ウクライナの法律は外国人の土地所有を禁止しているものの、農業企業はロンドンなど欧州の証券取引所に株式を上場していることが多く、投資家が株式を売買できるようになっている。
ウクランドファーミングのバフマチュック氏は、現在は中国や中東の投資家と交渉をしており、年末までに「10億ドル単位」の取引がまとまるだろうと話している。
投資家は、農業施設改良資金の調達や港湾の建設といった土地がらみの政治という扱いにくい話を回避する方法を見つけることができている。
ウクライナの大手農業企業KSGアグロの大株主、セルゲイ・カシヤノフ氏によれば、中国人が「穀物の安定供給を確保するためのプロジェクトに資金を融通している」からだ。
ポーランドのワルシャワ証券取引所に株式を上場しているKSGアグロは今年5月、中国の中央アジアの辺境地帯を管理する国有企業、新疆生産建設兵団と覚書を交わした。
中国のメディアによれば、ウクライナに灌漑(かんがい)インフラを提供し、その資金も融通するという内容だ。
■経済成長を推進する機関車に
ウクライナと中国の貿易は、ロシアやEUのそれに比べればまだ比較的小さな規模にとどまっている。
ウクライナのセルヒー・アルブゾフ副首相は今年9月、中国との年間貿易額は現在の100億ドルから倍増するとの見通しを示した。
今年1~8月期には、中国はウクライナにとって2番目に大きな貿易相手国になっており、ウクライナの貿易額全体の8%を占めた。
バフマチュック氏は、「中国は、経済成長を推進する機関車のような重要な存在になる」と話している。
その成長のカギとなるのが農業だ。
2012年のウクライナの対中農産物貿易は2億7000万ドルだった。
ミコラ・プリシャジニュク農相によると、2013年上半期には、ウクライナが販売を約束した200万トンのトウモロコシを計算に入れずに、輸出だけで前年比4倍の3億8000万ドルに急増したという。
ウクライナの穀物収穫高は今季6000万トンに達し、過去最高を記録しようとしている。10月には初めて中国にトウモロコシを出荷した。
バフマチュック氏によれば、10億ドル単位の投資と近代技術によりウクライナの農業生産高が倍増し、トウモロコシ、大麦、ひまわり油、小麦で既に世界最大級の輸出大国が世界の支配的な農産物供給国に発展する可能性があるという。
中国の官僚はその可能性を見て取った。
ウクライナ政府は今月、灌漑システムを整備し、その他の近代化の取り組みを支援するために、中国輸出入銀行と30億ドルの新規融資(半分が現金、半分が設備で提供される)について交渉をまとめているところだと述べた。
■農産物を中国などに送り出すパイプライン
農業に転じる前にウクライナの国営ガス企業の最高幹部だったバフマチュック氏にとって、古い例えはなかなか消えないものだ。
「石油とガスの代わりに我々は作物を収穫している」とバフマチュック氏は言う。
「我々は今、こうした農作物を中国その他の市場に送り出すパイプライン、ある種のウクライナ版ガスプロムを築いている」
By Roman Olearchyk and Lucy Hornby
© The Financial Times Limited 2013. All Rights Reserved. Please do not cut and
paste FT articles and redistribute by email or post to the web.
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【トラブルメーカーから友なき怪獣へ】JB Press 2013.11.07(木) Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39117
ウクライナからの食糧供給に向けて種をまく中国
(2013年11月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ウクライナの首都キエフ。
とある建物の会議室のテーブルには、中国とウクライナの旗が並んで置かれている。
世界で最も人口が多い国と世界有数の肥沃な農地が実り多い盟友関係を新たに結んだしるしだ。
「今頃はきっと、中国の誰もが私の名前を耳にしていると思うよ」。
ウクライナの億万長者、オレグ・バフマチュック氏はこう語る。
同氏は、世界第8位の規模を誇る農業企業ウクランドファーミングと世界第2位の鶏卵生産会社アバンギャルドコの創業者で、ここ1年半の約半分をアジアで過ごしたと話している。
中国の国有穀物商社である中糧集団(COFCO)や飼料や食肉の生産を手がける中国の民間企業ニューホープ(新希望集団)といった大手農業企業、そしてシンガポールの政府系投資会社テマセクなどと輸出や投資の交渉を行ってきたという。
肥沃な黒土に覆われた広大な土地を擁するもののインフラが時代遅れになっているウクライナはこのところ、穀物や食肉の需要増加に応えたいと考える中国企業の関心を引きつけている。
■中国の関心がウクライナの経済と国際的影響力を押し上げる
ウクライナ政府は現在、欧州連合(EU)と自由貿易協定を締結する計画を巡ってロシアと地政学的な綱引きを演じている最中だが、アジアとの結びつきが強まっていることは、この国には別の戦略的な選択肢があることを示している。
中国の関心は、ウクライナの経済と国際的影響力の両方を押し上げる可能性がある。
中国の関心は、外国にある生産力の高い農地に投資する同国の戦略に合致したものだ。
中国社会科学院農村発展研究所の李国強・副主任によれば、中国政府は、世界市場で買い付ける農産物の輸入に依存すると世界の食糧価格が上昇して外交摩擦を引き起こしかねないとの懸念を抱いている。
中国のニーズを満たすためには世界全体の穀物供給の総量を増やすしかないと李氏は指摘し、「そうすれば世界の食糧安全保障になる」と語る。
中国がほかの国々で広大な土地を購入するとの報道はいくつも出ているが、計画が成功した例はこれまでのところほとんどない。
なぜか?
それは、すべての土地が国家所有となっている中国にとって、財産権という概念が馴染みのないものだからだ。
失敗に終わった中国との取引案件に詳しいある外交官はこう語る。
「彼らは、土地から何から全部我々に用意させたいと思っている。
民間人の所有者がいるということが分かっていない」
ここで登場するのがウクライナだ。
同国では、旧ソビエト連邦が崩壊した後、民間企業が農地を大量に買収した。
ウクランドファーミングは現在、約56万ヘクタールの農地で耕作を行っている。
ウクライナの法律は外国人の土地所有を禁止しているものの、農業企業はロンドンなど欧州の証券取引所に株式を上場していることが多く、投資家が株式を売買できるようになっている。
ウクランドファーミングのバフマチュック氏は、現在は中国や中東の投資家と交渉をしており、年末までに「10億ドル単位」の取引がまとまるだろうと話している。
投資家は、農業施設改良資金の調達や港湾の建設といった土地がらみの政治という扱いにくい話を回避する方法を見つけることができている。
ウクライナの大手農業企業KSGアグロの大株主、セルゲイ・カシヤノフ氏によれば、中国人が「穀物の安定供給を確保するためのプロジェクトに資金を融通している」からだ。
ポーランドのワルシャワ証券取引所に株式を上場しているKSGアグロは今年5月、中国の中央アジアの辺境地帯を管理する国有企業、新疆生産建設兵団と覚書を交わした。
中国のメディアによれば、ウクライナに灌漑(かんがい)インフラを提供し、その資金も融通するという内容だ。
■経済成長を推進する機関車に
ウクライナと中国の貿易は、ロシアやEUのそれに比べればまだ比較的小さな規模にとどまっている。
ウクライナのセルヒー・アルブゾフ副首相は今年9月、中国との年間貿易額は現在の100億ドルから倍増するとの見通しを示した。
今年1~8月期には、中国はウクライナにとって2番目に大きな貿易相手国になっており、ウクライナの貿易額全体の8%を占めた。
バフマチュック氏は、「中国は、経済成長を推進する機関車のような重要な存在になる」と話している。
その成長のカギとなるのが農業だ。
2012年のウクライナの対中農産物貿易は2億7000万ドルだった。
ミコラ・プリシャジニュク農相によると、2013年上半期には、ウクライナが販売を約束した200万トンのトウモロコシを計算に入れずに、輸出だけで前年比4倍の3億8000万ドルに急増したという。
ウクライナの穀物収穫高は今季6000万トンに達し、過去最高を記録しようとしている。10月には初めて中国にトウモロコシを出荷した。
バフマチュック氏によれば、10億ドル単位の投資と近代技術によりウクライナの農業生産高が倍増し、トウモロコシ、大麦、ひまわり油、小麦で既に世界最大級の輸出大国が世界の支配的な農産物供給国に発展する可能性があるという。
中国の官僚はその可能性を見て取った。
ウクライナ政府は今月、灌漑システムを整備し、その他の近代化の取り組みを支援するために、中国輸出入銀行と30億ドルの新規融資(半分が現金、半分が設備で提供される)について交渉をまとめているところだと述べた。
■農産物を中国などに送り出すパイプライン
農業に転じる前にウクライナの国営ガス企業の最高幹部だったバフマチュック氏にとって、古い例えはなかなか消えないものだ。
「石油とガスの代わりに我々は作物を収穫している」とバフマチュック氏は言う。
「我々は今、こうした農作物を中国その他の市場に送り出すパイプライン、ある種のウクライナ版ガスプロムを築いている」
By Roman Olearchyk and Lucy Hornby
© The Financial Times Limited 2013. All Rights Reserved. Please do not cut and
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