2013年10月27日日曜日

<レアアース>:WTOは中国敗訴の判断へ、戦略と誤算

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(2013年10月26日08時36分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20131026-OYT1T00206.htm

中国の輸出規制「完全に失敗」…希土類需要急減

 世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)が、中国のレアアース(希土類)輸出規制に反対する日米欧の主張を大筋で認める中間報告を出したことが分かった。

 レアアースを戦略資源と位置づける中国の手法は曲がり角に来ている。

 日本など各国は、レアアースの使用量を減らす技術や代替品の開発を進めている。
 新金属協会によると、日本でのレアアースの需要は、2007年の約3万2000トンから12年には約1万4000トンまで減少。
 価格はピークだった11年の10分の1近くまで下落した。

 10年9月、沖縄県尖閣諸島付近の領海に侵入した中国人船員の逮捕で日中関係が緊迫した際、中国産レアアースの日本への輸出が事実上止まって大きな影響が出たが、今や輸出国としての中国の地位は低下している。

 中国は10年にレアアースの輸出枠を大幅に減らしているが、12年の輸出量は枠の4割前後にとどまったとみられる。
 今回の中間報告で、輸出規制が「クロ」判定される公算が大きくなり、
 「中国の戦略は完全に失敗した」(外交筋)
との見方が強まっている。



レコードチャイナ 配信日時:2013年10月26日 21時43分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78341&type=0

<レアアース>WTOは中国敗訴の判断へ、
日本閣僚はにんまり笑顔で有利をアピール―中国メディア


●26日、中国広播網は記事「WTO、レアアース訴訟で日米欧の勝訴を基本的に認定」を掲載した。日米欧が昨年、WTOに中国を提訴。中間報告では日米欧の主張が認められた内容になっている。資料写真。

 2013年10月25日、網易は記事
 「日本メディア:レアアース訴訟でWTOは中国敗訴の判断へ」
を掲載した。

 25日、日本メディア各社は、世界貿易機関(WTO)が日米欧の訴えを認め、中国のレアアース輸出規制が規約違反との中間報告案をまとめたと報じた。
 茂木敏充経産相は25日朝の閣議後の記者会見でWTOの中間報告書が配布されたことを認めた。
 内容は極秘のため明かせないが、「表情をご覧いただければと思います」とコメント。
 日本に有利な内容であることを示唆した。

 2012年6月、日米欧は中国のレアアース、モリブデン、タングステンの輸出規制がWTOルールに違反しているとして提訴した。
 紛争処理小委員会で審理されてきたが、このたび中間報告書がまとめられた。
 さらに関係国からの聴取を経た上で12月にも最終報告が発表される見通しだ。



サーチナニュース  2013/10/27(日) 12:01
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=1027&f=national_1027_013.shtml

中国レアアース問題…日米欧の勝訴見通しに不満=中国版ツイッター



  中国によるレアアース(希土類)の輸出規制に対し、日本と米国、EUが共同で世界貿易機関(WTO)に提訴していた問題で、WTOの紛争処理小委員会(パネル)が日米欧の主張を大筋で認める中間報告を通知したことが分かった。

  中国の簡易投稿サイト・微博で経済情報を伝える新浪財経(アカウント名)が同ニュースについて伝えたところ、ほかの微博ユーザーから
●.「WTOから脱退すべきだ。
 中国に災いをもたらすWTOなど加盟していても意味がないのは明らか」
など、強気の発言が寄せられた。
 中国がWTOの規則に背いて輸出規制を行っていながら、WTOを批判するなど責任転嫁も甚だしい。

  また、
●.「米国がハイテク技術の輸出を禁止しているのはWTOに違反しないのか? 
 中国も何か探して日米欧を訴えるべき」
など、日米欧に反撃すべきとの主張も多かった。

  しかし、
●.「これは中国人が自ら招いた災いだ。
 レアアースを乱獲して環境を破壊してきたのはわが国だ。
 今後はいくつか採掘場を閉鎖すべきだ」
など、今回の結果は妥当であると主張するユーザーも少数ながら存在した。

  2010年9月、尖閣諸島(中国名:釣魚島)付近で発生した中国漁船による衝突事故で、日本は中国人船員を逮捕し、日中関係が緊迫した。
 中国は事実上の報復としてレアアースの輸出を削減した。
  しかし日本はレアアース調達先の多元化や代替品の開発を進め、中国産のレアアース需要は大幅に減少した。
 したがって中国が行った事実上の報復はやはり失敗だったと言わざるを得ないだろう。



レコードチャイナ 配信日時:2013年10月28日 6時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78368&type=0

<レアアース>中国の輸出規制はWTO違反、日米欧の主張が認められる―中国メディア

 2013年10月26日、中国広播網は記事
 「WTO、レアアース訴訟で日米欧の勝訴を基本的に認定」
を掲載した。

 12年、日米欧は中国のレアアース、モリブデン、タングステンの輸出規制について世界貿易機関(WTO)に提訴した。
 中国は環境保護のためと反論したが、関連業界は中国が勝訴する可能性は小さいとみていた。
 WTO加盟時に中国は輸出税の原則撤廃に合意していたことが大きな要因だという。

 このたび関係国に中間報告が伝えられたが、日米欧の主張が認められたもようだ。
 11月中旬にも紛争処理小委員会の報告書が公表される。
 不服の場合、最終審である上級委員会に上訴できる。



【参考】

レアアース 中国の戦略と誤算

公開日: 2013/01/13

【脱輸入レアメタル依存】 資源を作り出す日本の技術

アップロード日: 2010/09/23

レアアースをめぐる激しい戦い――中国依存から脱却せよ

アップロード日: 2010/10/10

レアアース相場下落 中国が生産停止へ

アップロード日: 2011/10/30



レコードチャイナ 配信日時:2013年10月30日 7時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78457&type=0

グリーンランドがレアアース採掘へ=中国依存を脱却する可能性も―英メディア


●28日、参考消息網によると、海外メディアは、グリーンランドがレアアースの採掘を始める見通しと伝え、この決定はレアアースの中国依存を打破する可能性があるとしている。写真は中国内モンゴル自治区包頭のレアアース採掘場。

 2013年10月28日、参考消息網によると、海外メディアは、グリーンランドがレアアースの採掘を始める見通しと伝え、この決定はレアアースの中国依存を打破する可能性があるとしている。

 英・タイムズ紙は26日、グリーンランド鉱業エネルギー会社にレアアースの採掘許可が下りたと伝えた。
 同社は、2017年に生産を開始し、その供給量は世界の主要な4種類のレアアースの22%を占める見込みだとしている。

 中国は2010年以前、レアアース生産量で世界シェアの約97%を占めていたが、現在は90%程度まで減少している。
 中国は自国のレアアースが15年ほどで枯渇すると気付き、2005年から輸出を制限。
 レアアースの価格高騰を引き起こした。

 専門家は「中国が輸出を制限したことで、新しく参入する者にチャンスが生まれた」とする一方、
 「レアアースの採掘は競争になる。現在すでに400カ所で28のレアアース採掘プロジェクトが始動しているが、すべてが同時期に生産を開始できるわけではない。
 レアアースが希少なのではなく、採掘して採算の合う鉱山が希少なのだ
と指摘している。



JB Press 2013.11.01(金)  Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39073

レアアースの大鉱脈を待ち望むグリーンランド
(2013年10月31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


●ウラン採掘の解禁で大きな変化が訪れようとしている(写真はグリーンランド西岸のイルリサットの街並み)〔AFPBB News〕

 グリーンランドの首相は、デンマークからの経済的・政治的独立と、レアアース産出における中国の支配に対する挑戦に向けた大きな一歩としてウラン採掘禁止の解除を賞賛した。

 わずか「5万6000人の住民」しかいないこの広大な国は、議論を呼んだ僅差の投票結果で議会が四半世紀に及ぶウラン採掘禁止を覆した後、北極圏の商業開発に関する議論の中心に割って入った。

 グリーンランドは潜在的に世界のレアアースの最大4分の1を供給できるため、採掘の解禁は世界的な地政学的意味合いを持つ可能性がある。
 レアアースは携帯電話や電球から武器システムに至るまであらゆるものに使われている鉱物で、現在は中国が生産の約90%を支配している。

■デンマークからの独立に向けた大きな一歩

 「これは独立に向けた大きな一歩だ」。
 グリーンランドの自治政府首相アレカ・ハモンド氏は、オスロで開かれた北欧理事会の会合に参加している際、本紙(フィナンシャル・タイムズ)に対してこう語った。

 グリーンランドは2009年に自治国になったが、防衛・安全保障とグリーンランドの予算の3分の1を占める年間約33億デンマーク・クローネの補助金を依然デンマークに依存している。
 主な産業は水産業で、グリーンランドの輸出の80%以上を占めている。

 「経済が1つの源泉、しかも非常に弱い源泉に基づいているため、それが我々を経済的独立に連れていってくれることは決してない。
 失業率が高く、我々は次世代のために雇用を創出したいと思っている」
とハモンド氏は話す。

 さらにハモンド氏はこう付け加える。
 「我々の経済は、デンマークからの補助金ではなく、我々が持っているものに基づくべきだ。
 我々がウランのある山、鉄鉱石のある山、レアアースのある山を持っていることは、私にはどうしようもないことだ。
 鉱山開発は非常に少ない人口にとって素晴らしい選択肢だ」

 採掘はまた数年先のことで、グリーンランドは鉱物を産出するために外国の手助けを必要とするだろう。
 「今回の政策変更は、国を変える出来事だ。
 採掘を解禁したことで、世界の大鉱山の1つが前進できることを意味する」。
 オーストラリアに本拠を置くグリーンランド・ミネラルズ・アンド・エナジー(GME)の最高経営責任者(CEO)、ロデリック・マキルリー氏はこう話す。

■採掘解禁がもたらす大きな変化

 同氏の話では、GMEがグリーンランド南部で手がけるクヴァネフィールド・プロジェクト――いくつかの発見の中で最も注目を集め前進しているもの――は、ひとたび生産が開始されれば、グリーンランドの国内総生産(GDP)を最大25%押し上げる可能性があるという。

 GMEは、2015年までは開始されないと見られる建設と、早くても2017年になる生産に関する許可を巡ってグリーンランド政府と協議を開始する。

 ウランの採掘解禁とは別に、首都ヌークに近い巨大な鉄鉱石鉱山は、ハモンド政権によって承認されたばかりだ。
 だが、これは国内で強い感情を引き起こすことにもなった。
 インフラを建設するために3000人の労働者――ほとんどが中国人になる可能性が高い――が必要になるからだ。

 採掘解禁はグリーンランドの人々にとってはさらに議論を呼び、不満を表す人たちの多くが、解禁決定のための住民投票を行うべきだったと主張している。
 ハモンド氏は悪びれず、自分は解禁に向けて努力するという公約の下で3月に選ばれたのだと主張する。

 だが、グリーンランド史上最大級のデモや政治家の公開演説といった論争の激しさに衝撃を受けてか、ハモンド氏は、GMEのような企業が生産計画がどのようなものになるか明らかにした段階で住民投票を行う可能性があると述べ、批判的な人々に和解の気持ちを表した。

 「私は恐らく住民投票を行うだろう。
 今は副産物としてのウラン採掘を始めるべき時期なのか? 
 それは人々が決めることだ」
とハモンド氏は言う。

■デンマークとの緊張も

 採掘解禁は、デンマークとの緊張も生み出している。
 デンマークのへレ・トーニング・シュミット首相はオスロで、
 「グリーンランドは自治国家であり、こうした選択をするかどうかはグリーンランドの政府と当局次第だ。
 これは我々が最大限の敬意を払っていることだ」

 「ウラニウムを地上から取り出し始める場合には、適用されなければならない一定のルールがあり、これらのルールに関しては、デンマーク王国の手に委ねられていることも明らかだ」

 ハモンド氏はこれに異を唱え、デンマークは2009年に鉱物の産出に関する権限を委譲したと述べている。
 だが、ハモンド氏とトーニング・シュミット氏は、デンマークの防衛と安全保障上の利益が確実に尊重されるようにするための作業グループを設置することで合意している。

■新しいクウェートにならないように備え

 グリーンランドの首相は、潜在的に膨大な資金の流れが国を不安定化させることが絶対にないようにしたいとも思っている。
 グリーンランドは既にノルウェーの石油基金に似たやり方で基金を設立している。

 「我々は、新しいクウェートにならないよう準備を整えなくてはならない。
 ノルウェーは素晴らしいお手本だ。
 ノルウェーは水産国だが、同時に石油を持つ高度に工業化された国でもある」
とハモンド氏は言う。

 だが、ハモンド氏は、鉱山は潜在的に「私が生きている間にあっさりと」デンマークの補助金に取って代わることができるため、変化は多くの人が考えているより早く訪れるかもしれないと言う。

 さらに、こうも付け加える。
 「我々は、これを受け入れる準備ができているのだろうか?
 何千人もの人が働くために外からやって来る鉱業国になる準備ができているのか? 
 我々は、グリーンランド人が少数派になるのを食い止めることができるのか?
 これは甚大な影響を与えるし、私はこの影響が確実に良い方向に向かうよう懸命に働かなくてはならない」

Richard Milne, Nordic Correspondent
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