2013年10月26日土曜日

日本の貿易赤字はなぜ減らないのか:家計が保有する純資産は「1,200兆円」

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●24日、日本の財務省がこのほど発表した最新のデータによると、日本の9月の貿易赤字は9321億円に達し、14年ぶりに単月の記録を更新した。資料写真。


レコードチャイナ 配信日時:2013年10月26日 9時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78327&type=0

日本の貿易赤字はなぜ減らないのか―中国メディア

 2013年10月24日、日本の財務省がこのほど発表した最新のデータによると、日本の9月の貿易赤字は9321億円に達し、14年ぶりに単月の記録を更新した。
 別の統計によると、4月から9月の赤字額は5兆円に迫り、こちらも過去最高を記録した。
 日本の貿易赤字は15カ月連続で増加が続いており、現在の情況をみる限りこれからも赤字が続くことが予想される。
 経済日報が伝えた。

 年初以来、日本政府と日本銀行(中央銀行)が積極的な財政政策と通貨の超緩和政策を採り続けるため、円資金がだぶつき、円は米ドル、ユーロをはじめ世界の主要通貨に対して値下がりを続けた。
 一般的な経済の法則では、通貨の値下がりは輸出を増やし、輸入を抑えるのにプラスになり、ひいては国際貿易収支の改善につながる。
 だが日本には法則とは異なる状況が出現し、円が持続的に値下がりする一方で、貿易赤字がふくらみ続けている。
 こうした情況についてウォッチャーの中では、日本にこうした経済の法則に反する現象が出現したのは、さまざまな要因が絡み合ってのことであり、技術的な要因もあれば一時的な要因もあるが、主な要因は経済の構造であるとの見方が広がっている。

 技術的な要因について考えると、これは日本の対外貿易の決済方法と関係がある。
 日本は長年、円の国際化を推進してきた。国際決済における円の比率を高めるため、日本の現在の輸出では円建て決済が多く用いられているが、輸入ではもっぱらドル建てだ。
 円の対ドルレートが下がると、円建てで計算する輸入額は増加し、これに伴って貿易赤字が拡大する。
 一時的な要因とは主に日本の原子力政策の変化だ。
 東日本大震災の後、日本はほぼすべての原子力発電所を停止し、これまでに再稼働したのは2カ所だけだ。
 また日本経済が復興の軌道に乗り、生産と輸出が急速に回復し、企業の電力需要が増大し、電力が供給不足になった。
 このため日本は発電用の原油と液化天然ガス(LNG)の輸入を増やさざるを得なくなった。
 上半期の輸出品目をみると、1位になり、かつ急速に増加しているのは発電用のLNGだ。
 日本の運輸関連企業は列を作るようにして世界各地から日本へ原油やLNGを輸送し、電力の需給のアンバランスをなんとか解消している。
 あるメディアの指摘によると、エネルギー輸入の大幅増加は貿易赤字を高止まりさせる「元凶」だという。

 だが根本的なことをいえば、日本の貿易赤字を増やし続けている真の原因は、日本の産業分業が国際化の方向へ変化しつつあり、国内の産業の空洞化現象がますます目立ってきていることにある。
 ある専門家の指摘によると、こうした構造的な変化が日本の貿易赤字を長期化させる可能性がある。
 1980年代の日本では、海外への生産移転ブームが何度か起こり、円安と日本政府の政策が企業の海外進出を一層後押しした。
 21世紀になると、日本国内の投資環境はますます悪化し、企業は海外への生産移転の歩みを加速した。
 現在では自動車、電子、機械といった日本の基幹産業の海外生産率は40%から60%に達する。
 70%に達する企業もある。こうした情況の下で、日本の経済情勢がよくなればなるほど輸入も増える。
 今年上半期の情況をみると、企業の生産が活発になったため、生産に必要な原材料や部品の輸入が大幅に増加した。
 これと同時に、日本国内で生産されない、あるいはほとんど生産されない衣類、カバン類、日用雑貨、一般の家電製品、電子製品が大量に国外から入ってくるようになった。
 円安は輸入コストを増大させるが、国内の好調な販売によって生まれた利潤が為替差損をおおむね補填している。
 たとえば9月は輸出が前年同月比11.5%増加したが、輸入はこれより多く16.5%増加した。
 これでは貿易赤字が増加するのは当たり前だ。

 現在の情況から考えると、貿易赤字を高止まりさせる複雑な原因に今後短期間で大きな変化が生じることはあり得ない。
 原発問題で日本政府が方針を変える可能性はあるが、日本企業の海外進出の歩みは止まらず、円安傾向をくい止めることも難しい。
 よって日本の貿易赤字の継続は長期化するだけでなく、日本経済の長期的な発展に重大な影響を与える可能性があるといえる。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)



 韓国のところで書いたものがあるのでコピーする。

「生きても死んでもいない」日本は20年もなぜ死なない?:「失われた20年」の謎

<<略>>

日本という国は
 「年間貿易収支が7兆円の赤字」
だったとしても、毎月1兆円の黒字が転がりこむ構造になっている。
 ということは、差し引き「5兆円の黒字」になる勘定になる。
 どうしてこうなるかというと、
 日本の対外純資産は「約300兆円」
という膨大なものである。
 さらには、
 家計が保有する純資産は「1,200兆円」
となったら、もはや何おかいわんやである。
 つまり、日本というのは、いまのところ
 セカセカは働かなくても、ブラブラ働いてのんびり気楽に食っていかれる国
だということである。
 「経済成長」がどうのこうのというのは、いわゆる「ビンボウ人」の戯言にすぎないということになってしまう。
 ビンボウ人がお金持ちになるには、経済成長しないといけない。
 お金持ちになってしまったら、経済成長はいらなくなるには理の当然。
 お金持ちがさらに経済成長するとどうなるのだろう。
 人間社会ならあの世に持っていけないお金が溜まり、税務署が相続税で持っていってくれる。
 相続税を払うのが嫌なら、溜まったお金は使っちまえ、ということになるのだが。
 しかし、世の習いで
 お金持ちは金を使わない
から、消費も横ばい、ブランド品もいらない、ということになるのはしかたがない。
 「1億人の経済文盲」
とはいい喩えである。
 実際にお金をもっていれば、見栄を張る必要もなく、機能を満たしている安物のユニクロで充分になる。
 昨今の若者は
 「車、いらない」、
 「海外旅行、行かない」
である。
 「じゃ、何がしたい」
のかと聞くと、答えは
 「都内温泉めぐり」。
 これじゃ、どうにもならない。
 これがいわゆる「先進国課題」というものなのだろう。
 「経済成長?」、それってビンボウ国のやることだろう!
 これでは話が先に進まない。